善は急げ
善は急げ。
不善は置いておけ。
これはどういうことかというとね(笑)、まあ、心ってのは、あんまり確固としたもんじゃないんだね。一般的には。
ここでいう善っていうのは、ヨーガ修行も含め、あるいは他人を幸福にすることとかね、あるいは自分の心を良くしようとかね、あるいは神への思いなども含め、あらゆる意味での善、真理、正しいことだね。こういうことを、やろうかな、と思ったとき、すぐにやったほうがいい。
というのは、そういう善や真理を行なおうという思いが心に浮いたときというのは、これは千載一遇のチャンスであってね、すばらしい「宝のとき」なんだよ。そしてそういう機というのは、すぐに終わるかもしれない。気が変わるかもしれないし、状況が変わるかもしれない。
だからあらゆる意味での善を行なおうという想いが生じ、それができる条件下にあるとき、すぐにやれということだね。
そして逆に、あらゆる意味での不善、これは他人を不幸にすること、あるいは自分の心を汚すこと、あるいはヨーガや仏教その他、聖者たちが禁じていること。こういうことをやりたくなったりね、あるいはやるような条件にあるとき。
そんなとき、それをすぐにやめるとか、そういう思いを捨てることができたらそれは一番いい。
でもなかなかそううまくはいかない。捨てられない。そんなときは、とりあえず置いておけ(笑)。
良い思いが、時間がたつと消えてしまうかもしれないのと同じように、悪しき思いも、時間がたつと消える可能性もある。つまり良くも悪くも心や条件というのは無常なんだ。
もちろん、消えないかもしれないよ。でも消えないまでも弱まるかもしれないね。感情に任せて勢いでやってしまうのが一番愚かだ。
だから、善は急げ。
不善は、すぐに断てるなら断て。断てないなら、少なくともちょと置いておけ。
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