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仏弟子の物語(2)「マハーコッティタ」

マハーコッティタ

 マハーコッティタは、過去世において、世尊パドゥムッタラの時代に、ハンサヴァティーの大富豪の家に生まれた。分別のつく年頃に達したころ、父母が死去したので、膨大な財産を受け継いだ。

 あるとき、世尊パドゥムッタラの説法会に出席した彼は、そこで世尊パドゥムッタラの弟子で分析智を得た者の第一人者である者を見て、自分もそのような者になりたいという願いを起こした。

 そして説法が終わると、彼は世尊パドゥムッタラのそばに行き、『尊師よ、明日の朝、私の食事の供養をお受けください』とお願いし、世尊は承諾した。

 そして彼は翌日から七日間、素晴らしい食事を、世尊パドゥムッタラとその多くの弟子たちに供養し、また素晴らしい衣も供養した。そして彼は世尊パドゥムッタラに、未来において出現する覚者のもとで出家をして、分析智を得た者の第一人者になりたいという願いを立てた。世尊パドゥムッタラはこう言った。

「遥かなる未来に、ゴータマという覚者が出現なさるだろう。そのお方のもとで、汝の願いは成就するであろう。」

 この後、彼は人間界と天界に次々に生まれ変わりつつ、徳と叡智を積み重ね、仏陀釈迦牟尼が地上にお現われになったときに、サーヴァッティのブラーフマナの家に生まれ、コッティタと名付けられた。そして成年に達すると、釈迦牟尼のもとで出家して修行に励み、分析智と共にアラハットの境地を得た。彼はお釈迦様のもろもろの著名な高弟たちに質問するときも、お釈迦様自身に質問するときも、もろもろの分析智についてのみ質問した。こうして彼は分析智において自在に達し、その第一人者となった。

 彼はあるとき、解脱の楽を味わいつつ、感興の言葉として次のように言った。

「こころは寂静を得、煩悩の働きがやみ、マントラを唱え、そわそわすることなく、風が木の葉を払うように、もろもろの悪しき法を払い落とす。」

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