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今なお狂ったままだ

 ラーマクリシュナの出家した直弟子の一人であるヴィジュニャーナーナンダは、高校生の頃に初めてラーマクリシュナに会ったが、そのときはラーマクリシュナの素晴らしさに気づくにはまだ若すぎた。そしてその数年後、大学生になったヴィジュニャーナーナンダは、学友のシャラト(後のサーラダーナンダ)らとともにドッキネッショルを訪問した。そのとき、彼の中の素晴らしき縁は目覚め、ヴィジュニャーナーナンダはラーマクリシュナに魅了された。

 その夜、かなり遅くなってから家に帰ったヴィジュニャーナーナンダが、ラーマクリシュナのところに行っていたと知った母親は、息子を叱った。なぜなら当時ラーマクリシュナは、一部の人から頭がおかしいと思われていたからだ。母親はこう言った。

「お前は、350人もの若者の頭を狂わせた、あの気のふれたブラーフミンのところに行ったのかい?」

 後にヴィジュニャーナーナンダは、この時のことを回想して、こう言った。

「頭を狂わせたとはよく言ったものだ! その頭は今なお狂ったままだ。
 あの気のふれたブラーフミンに魅了されていなかったら、今頃自分はどこをさまよっていたかわからない。世俗の荒波の中でもがきながらね。」

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