ヴェーダーンタの実践(11)
12、あなたの前にはマンゴーの木がある。
それには名前がある。
それは幹、枝、小枝、葉、花、果物などからなっている。
それらの様相は、ごく普通の眼にとって見えているだけであり、普通の人間に見えているだけのものである。
それらは二つの様相(幻影である名前と形)によって完全に陣取られ、魅せられているだけである。
マンゴーの木の背後にある真理に気づいていないのだ。
それらの二つの様相に加えて、三つの他の様相がある。
マンゴーの木は「在る」、つまり存在している
これは「サット」の様相である。
それは「輝いている」。
あなたは眼の前にマンゴーの木が立っているのを理解している。
それはあなたの感覚と心によって認識される。
これがチットの様相である。
木の存在はあなたに喜びを与えてくれる。
これはアーナンダの様相である。
さあ、その木を切り倒し、それを板にしなさい。
その場合にも、サット・チット・アーナンダはその板の中に存在している。
その板は「在る」、つまり、存在する。
それは輝いている。
それを知りなさい。
それはあなたに喜びを与えてくれる。
あなたはそれで椅子やベンチなどを作ることができる。
さあ、その板を火にくべよう。
それは灰になる。
その場合にも、サット・チット・アーナンダはその灰の中に存在している。
その灰は「在る」、つまり、存在する。
その灰は輝いている。
それを知りなさい。
それはあなたに喜びを与えてくれる。
それはさまざまな目的に使われる。
そのように、名前と形は変化するのだと知りなさい。しかし、サット・チット・アーナンダは永遠に変わらない。
それは真理である。
あらゆる形はそれ自体サット・チット・アーナンダである。
形は異なっているが、背後にある本質はあらゆる形において同じである。
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