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パトゥル・リンポチェの生涯と教え(104)

◎パトゥルの自然への敬意

 パトゥルは、一般の人々からの依頼に応じて、天候を変える目的――例えば雨を降らせたり止めたりするとったような目的で魔術的な儀式を行なうタントラ行者に向けて、厳しい言葉を放った。

「このような魔術師の心にとりついているのは、邪悪な悪魔だ。」

 パトゥルはあるときこう言った。

「彼らは”壮大な”思い違いをしているが、その”壮大な”計画は何も成し遂げることができないどころか、国を滅ぼしてしまう。
 彼らがやっていることを見ろ。チベットの短い三か月の夏は心地よい季節で、その時期は気持ちの良い気候を楽しむのものだ。草原は色とりどりの花で覆いつくされ、鳥たちはさえずり、そして動物たちは至る所を嬉しそうに飛び回っている。その季節は同様に、厄介者たちがやって来て、天候のような自然の力に干渉するためのさまざまな儀式を捏造し始める時期でもある。彼らは霊を呼び寄せると言うが、彼らが呼び寄せるものは破滅でしかない。
 彼らの”おせっかい”は、農家や遊牧民のような人たちに損害を与える。干ばつや伝染病を引き起こすからだ。考えてもみろ。彼らは魔術で動物たちを皆殺しにするのだ。小さなおたまじゃくし、カエル、魚といったものが、殺される生き物の中を多くを占める。このような生き物を害することで、彼らは自分たち自身、悪いカルマを積んでいるだけなのである。」

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