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パトゥル・リンポチェの生涯と教え(103)

◎ある者は彼を愛し、ある者は彼を恐れる

 ある人がパトゥルにこう言った。

「ある人はあなたのことを愛し、ある人はあなたのことを恐れます――その人たちはあなたの前で言葉を発することもできません。なぜでしょうか?」

 パトゥルはしばらく考えて、こう答えた。

「たぶん、ある人たちは、わたしが慈悲と慈愛を絶え間なく培っているから、わたしのことを愛している。そしておそらく、また別のある人たちは、わたしが自分と現象は同等に生来的本性の空であると見なしていているから、わたしを恐れているのだ。」

 この話を説明する際に、現代のラマ、ケンポ・ペマ・ワンギャルは、人々は自然と、心が慈悲で満たされている人に魅力を感じ、その一方で、すべての現象の空性を本当に理解している人には畏敬の念を感じると述べている。そのような深淵な悟りを得た修行者たちは、際だって力強く、かつ静かな存在感を持っている。彼らは、世俗的な期待と恐怖の風にびくともしない巨大な山のようである。

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