yoga school kailas

バンダ・トラヤ

☆ウディヤーナ・バンダ

 プラーナはこのバンダに縛られて、スシュムナー管の中を天翔り上るがゆえに、ヨーギーたちはウディヤーナと呼んだ。
 大鳥が疲れを知らずに大空に翔り上ることが、すなわちウディヤーナである。

 腹部を引っ込め、上に引き上げる。このウディヤーナ・バンダは、死神という象を追い散らすライオンのようである。
 ウディヤーナ・バンダが完成すると、それは自然に生じるようになる。
 怠らずにこのムドラーを修習するならば、老人になっても若々しい。
 

☆ムーラ・バンダ

 かかとで会陰部を圧して肛門を収縮し、アパーナ気を上方へ引き上げるならば、それはムーラ・バンダと呼ばれるムドラーである。
 肛門を収縮することによって、いつも下降する傾向のあるアパーナ気を力ずくで上昇させるのだ。
 アパーナ気がスシュムナー管の中を上昇するように、繰り返し繰り返し、力をこめて肛門を引き締める。
 平素ムーラ・バンダを行ずるならば、アパーナとプラーナの合一が起こり、年老いていても青年のようになる。

 アパーナ気が上昇し始めて丹田の炎に達すると、その炎の先が、アパーナ気に煽られて長く伸びる。
 それから、炎とアパーナ気は、プラーナ気と合一し、極度に明るく輝く炎が生じる。
 この炎に熱せられて、眠っていたクンダリニーが眼を覚まし、聖なるスシュムナー管の入り口に入り、だんだんその内部を進んでいく。よってヨーギーたちは、いつもこのムーラ・バンダを行ずるがよい。

☆ジャーランダラ・バンダ

 喉を引き締めて、胸にあごをしっかりとつける。これによって、二つの気道の流れを止めるべし。これがジャーランダと呼ばれるバンダである。これは喉の多くの疾患を無くする。そして気はその流れる道を間違えない。
 

☆バンダ・トラヤ(三つのバンダ)

 ムーラ・バンダで肛門を収縮し、ウディヤーナ・バンダをなし、ジャーランダ・バンダでイダーとピンガラの両道を閉じて、気をスシュムナー気道へ導く。

 この方法によって、気は正しくブラフマ・ランドラのうちに入って動かなくなる。

 このバンダ・トラヤは、いにしえの偉大な大師たちが行じたところの最高のバンダであって、すべてのハタ行法の完成をもたらすものであることを、ヨーギーたちは知っている。

 さらに、頭から甘露を滴り落とさせ、それを体中にめぐらす優れた手段がある。しかしこれはグルの指導によってのみ会得できるもので、たとえ百万の知識をもってしても会得することはできない。

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