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ハリダース・タクル(4)

◎シャーンティプルにて――アドワイタ・アーチャリヤによるディクシャー

 あるときハリダースは、アドワイタ・アーチャーリヤにお目にかかるためにシャーンティプルに行きました。
 アドワイタ・アーチャーリヤは、彼を温かく受け入れ、シャーンティプルに滞在させました。そしてそこで彼の髪を剃り、トゥルシーの数珠を与え、彼の額にティラカをつけ、ディクシャーを与えたといわれています。

 アドワイタ・アーチャーリヤは、ハリダースの信仰心に非常に感動し、あるとき、普通はブラフーマナにしか与えられない、儀式で祖先に捧げられた食物を食べさせました。
 ブラーフマナたちはそれを非難しましたが、彼はこう言い返しました。

「ハリダースはバクタだ。
 彼に食物を施せば、それだけで、人は数千万のブラーフマナに施したのと同等の果報を得る。」

 そのブラーフマナたちは耐えかねて、彼は不可触民である、と宣言しました。

 ハリダースは、自分のせいでアドワイタ・アーチャーリヤが苦しまなければならなくなったのだと思いました。
 そこで彼はシャーンティプルを去って、別の地へと行きました。
 しかし彼はもうアドワイタ・アーチャーリヤなしでは生きていけなくなっていたので、数か月後にまた戻ってきました。
 その間、ブラーフマナたちは、アドワイタ・アーチャーリヤとハリダースに対して腹を立ててしまったことを後悔していました。
 それゆえ彼らは、ハリダースの帰還を歓迎して、彼に許しを乞い、そしてアドワイタ・アーチャーリヤとハリダースはシッダ・マハープルシャ(成就した偉大なる魂)であり、それゆえにカーストの規律を超越している、と宣言したのでした。
 ハリダースは、ガンガーの岸辺のひっそりとした場所にある洞窟に住み、その中でバジャンを歌いました。
 ハリダースが大声でマハーマントラを10万回唱えたときから、そのガンガーの岸辺では、彼の詠唱の音が鳴り響くようになったのでした。
 ハリダースはハリの御名に狂い、あるときは笑い、あるときは泣き、あるときは踊り、そしてまたあるときは地面に倒れて気を失いました。
 ある人々は、彼は本当に気が狂っているのだと思っていました。
 しかし彼と話をすると、彼が深い智慧とシャーストラの理解を得ているということが分かったのでした。
 彼らは、ハリダースから影響を受けずにいることはできませんでした。

 信じる前に何でも批判的に分析する批評家のヤドゥナンダナ・アーチャーリヤも、最初、ハリダースは狂っていると思っていました。
 ある日彼は、ハリダースが恍惚のムードで以下の詩を歌っているのを耳にしました。

 天のことを語るな、三界の征服を語るな、ムクティを語るな
 いったい、それらで何をするのか
 わたしのハートは、あのうら若い少年に盗まれてしまった
 新木のタマル樹のような色の肌をして
 美しきヤムナーの岸の森で遊ぶ、あの少年に

 ハリダースは、非常に感情をこめて歌を歌っていました。
 手を上げ、眼からは涙が流れ、体は震え、毛は逆立ち、顔は形容し難いバーヴァの光輝で光り輝いていました。
 このハリダースの姿は、ヤドゥナンダナ・アーチャーリヤの心に忘れられない印象を残したのでした。
 そして、彼の人生は全く変わってしまいました。
 彼はアドワイタ・アーチャーリヤからイニシエーションを受けました。
 そしてバクティラサのプールと化した彼の心からは詩の川が流れ始め、後にバクティラサの素晴らしい詩人の一人として有名になったのでした。

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