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ド・キェンツェー・イェシェー・ドルジェの生涯(8)

 その後、ラサへと向かっている途中のある日、ド・キェンツェーはリクツァルとオーセルを、肉を買うためにゲギェ地域にある悪名高い遊牧民の幕営地に向かわせました。白と黒一匹ずつの犬が放たれ、彼らに襲いかかってきたため、ド・キェンツェーはその犬たちを剣で真っ二つにしました。遊牧民たちが殺された犬の仕返しとして戦うためやって来たとき、ド・キェンツェーは白い犬の上半身と黒い犬の下半身を合わせ、反対に黒い犬の上半身と白い犬の下半身を合わせると、その二匹は起き上がり、走り去りました。驚いた遊牧民たちはすぐさま謝罪し、正しい行いを順守すると約束しました。犬が死んだ後、この奇跡を記念して、その皮はゲギェ・ゾクチェンという名の寺院に保管されました。

 ディクンでは、ド・キェンツェーはシャプトゥンとギェルセーと喜びの再会を果たし、彼らからイニシエーションを受けました。ラサでは、レゲント・テモの大いなる助けにより、ド・キェンツェーはロンチェン・ロルパツァルから再び伝授を受けました。彼は数多くの聖地を巡礼し、供物を捧げました。

 サムイェーでは、ジョウォの前で、彼は十万回のマンダラ供養を行いました。サムイェーの中心的な寺院の中にあるパルカン・ユサル・バルワにおいて、彼は独居にこもり、一週間にわたって一心に祈りました。
 するとある夜、恐ろしい姿をしたヨーギーが突然踊りながらやって来て、彼に予言を与えました。
 また別の夜、一人の女性が彼を上の階へと連れて行き、彼はそこで背中合わせに座っている四人のヴァイローチャナの姿を目にしました。彼らはハーモニーを奏でつつ歌うようにしてこう言いました。

 「[実在を]知ることと知らないことという神秘の遊戯によって、
  輪廻とニルヴァーナは背中合わせで分割される。
  とりとめのない思考によって作り出された迷妄から
  いわゆる六道輪廻の世界が築かれる。
  四つのブッダの身体の純粋な顕現の中には、
  三つのブッダの身体という無垢な土地以外何もない・・・・・・」

 その四人の姿は彼に教え、イニシエーション、ならびに予言を与えました。彼は身体には大いなる至福を、心には素晴らしい悟りを感じつつ、寝床に戻りました。

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