デーヴァター・サンユッタ(7)
デーヴァター・サンユッタ
第一篇 第二章 ナンダナ(喜びの園)
第一節 ナンダナ(喜びの園)
このように私は聞いた。
あるとき世尊は、サーヴァッティーのジェータ林にあるアナータピンディカ長者の園にとどまっておられた。
そこで世尊は、ビックたちに呼びかけられた。「ビックたちよ」と。ビックたちは世尊に「尊師よ!」と答えた。
世尊は次のことをお説きになった。
「ビックたちよ。昔、三十三天に属するある神が、ナンダナ(喜びの園)において、天女の群れに囲まれ、天の五つの愛欲を授けられ、そなえて、給せられていたが、そのとき、この詩句を唱えた。
『誉れ高き三十人の神々なる人々の住居である喜びの園を見ない人々は、楽しみを知らない』と。
ビックたちよ。このように説かれたときに、他のある神は、その神に詩句をもって答えた。
『愚かなる者よ。拝まれるべき人たちがどのように説かれたかということを、そなたは知らない。
諸行は無常である。生じては滅びる性質のものである。それらは生じては滅びるからである。それらのしずまるのがニルヴァーナである。』