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スワミ・プレーマーナンダ「信者への奉仕」(4)

 ラブナート・マズンダルは、こう書いています。

「私は友人と一緒に、バブラム・マハラジを訪ねてマトへ行った。敷地に入ると同時に、わたし達は彼に会った。
 彼はこう仰った。

『君たちは傘を持っていないのか? 常に持つようにしなさい。』

 マトでお昼のプラサードの食事を食べた後、わたしたちはドッキネッショルを去るつもりだった。そのとき、バブラム・マハラジは上階で休んでおり、わたしは勇気を出して彼になんとしてもお目にかかろうと思って、上がって行った。
 わたしは、横になっている人に礼拝をささげることが不吉なことであるといわれていることを知っていたが、それでも、彼の蓮華の御足に頭を垂れて、タクルの恩寵を受けることができるように彼に祝福を求めた。彼はこうお答えになった。

『わたしはもうすでに君を祝福したし、今もまだ祝福しているし、未来においても祝福し続ける。時間があるときはいつでもわたしに会いに来なさい。』

 ああ! その言葉!――なんと愛情に満ちていることだろう!

 わたしは夜通しでマトに滞在したことは一度もなかったし、またアーラティの間に歌われる讃美歌も聞いたことがなかった。
 これらの願望を満たすため、わたしは再びマトヘ向かったが、ガンガーを渡る船を見つけることが困難だったため、マトに到着するのが遅れた。
 マトの東側の階段を上がって行くと、一人の僧に出くわし、厳しく叱られた。彼のお陰で、その晩マトには泊まることができないことがはっきりとわかった。彼はわたしに一時間以上も、「執拗」で「バンガル(相手を馬鹿にするような言い回し)」のような甘い言葉でわたしを楽しませてくれた。
 寒い夜だったので、わたしはシュリーラームプールに戻りたくなった。わたしがまさに去ろうとしていた時、バブラム・マハラジが瞑想を終え、ランプを持って階段を下りてきて、わたしの顔を照らし、こう仰った。

『この顔はよく知っている。』

 それから、『わたしの子供』『わたしの黄金の月』などのようなたくさんの愛情のこもった言葉を使ってくださり、またその他にもそのような表現でわたしに自信をつけさせ、わたしの傷付いた感情を落ち着かせてくださった。そして彼の母親のような愛情に、わたしのハートの痛みは和らいでいったのだった。

 Nは、最近マトに加わった新参者である。彼とわたしが同じ学校で学んでいたと知り、バブラム・マハラジはこう尋ねられた。

『君たちはここで待ち合わせしていたのだね。』

 わたしたちはこう答えた。

『いいえ、マハラージ、そうではありません。』

『彼が初めにここに来て、それから君が来たではないか。それは待ち合わせというのではないのかね? それを”別れ”と言っていいものだろうか?』

 こう言いながら、彼は多くの喜びを表現されたのだった!
 わたしたちが食事を頂いた後、彼は掛け布団と枕をわたしに用意してくださり、夜、わたしが落ち着いたのを見届けて初めて、自分の部屋に戻るため階段を上がって行かれたのだった。

 わたしが次の日カーシーへ向かって立つことを知られて、彼は、マハープルシャ・マハラジへの伝言をわたしに伝えた。

『カーシーに着いたら、マハープルシャに、彼がここへ来なければ、わたしがカーシーへ彼に会いに行くと伝えてくれ。古い昔馴染みの仲間と一緒にいること以外に、気持ちが安らぐことがないのだよ。』

 あるとき、チェンナイから来た信者が、マトの建物の二階のベランダで眠り込んでいた。真夜中に階段を上がっているとき、バブラム・マハラジは寝ている信者にお気付きになり、彼が蚊帳を持っていないのをご覧になると、すぐに蚊帳を持ち出して、その信者を覆うように設置なさった。その上、蚊を追い払うために、バブラム・マハラジは彼にゆっくりと風を送り始められた。その信者は目を覚ますと、マハラジの愛情のこもった行動にすっかり圧倒させられたのだった。
 もし誰かが汗をかきながらマトに入るなら、バブラム・マハラジはご自身で彼をお煽ぎになられただろう。また年上の信者が疲れて到着するならば、彼は若いブラフマチャーリに、彼らを世話し、奉仕するようにお命じになられただろう。

 ある日、たくさんの信者達がマトを訪れたとき、黒雲が突然に空を覆い、一瞬にして土砂降りになった。あるブラフマチャーリはすぐに訪問者達の靴をマトの建物の東側のベランダの乾いた場所に移動させ始めた。
 バブラム・マハラジは、彼が足を使ってその靴を移動させているのをご覧になり、こう言って彼をお叱りになった。

『バクタ(信者)たちの靴は、君の頭を使って運ばなければならない。』」

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