yoga school kailas

サーダナー

 ある求道者が、あるグルのもとに弟子入りし、言いました。

「師よ、神のお姿を目の当たりに見ることができる方法を教えて下さい。」

 そこで師は、その弟子にこう言いました。

「ではおまえは今から俗世を離れて一人で小屋に住み、丸々一年間、神への祈りを間断なく一心不乱に続けなさい。そして一年たったとき、沐浴し、私のもとへ来なさい。」

 弟子は言われたとおりに俗世を離れて小屋にこもり、一心不乱に神への祈りのサーダナを続けました。

 そうして一年がたったとき、そのグルは、ある掃除人にこう言いました。

「あそこの小屋に、われを忘れて神に祈り続けている男がいます。彼が沐浴をした後、彼に向かってゴミをばらまきなさい。」

 掃除人が言われたとおりにすると、弟子は気が動転し、怒りに駆られ、掃除人を殴るために追いかけました。
「この野郎! 沐浴でせっかく清らかになったのに、何ということをするのだ!」

 こうして弟子が再び沐浴で身を清めてから師のもとへ行くと、師は言いました。

「おまえの心はまだ神で満たされていない。この期に及んでいまだに心は怒りに満ち、どう猛な蛇のように、他人を殴るために走り回るとは。行ってもう一年、神への祈りを続けなさい。」

 こうして弟子は再び小屋にこもり、神への祈りのサーダナを続けました。

 そうしてまた一年がたったとき、師は再び掃除人を呼び、沐浴を終えた弟子の体を、箒で汚すように言いました。

 掃除人が言われたとおりにすると、弟子は、今度は掃除人を追いかけ回しはしませんでしたが、荒々しい言葉を掃除人に吐き捨てました。

 やってきた弟子に対して、師は言いました。

「おまえの心はまだ神で満たされていない。蛇がシーッと恐ろしい声を発するように、荒々しい言葉を吐くとは。行ってもう一年、神への祈りを続けなさい。しかし気をつけなさい。もし今度失敗したら、神はもう二度とおまえの前に姿を現すことはないだろう。」

 そう言われた弟子は、今度はよりいっそうの強い決意で、サーダナに励みました。

 そうしてまた一年がたったとき、師はまた掃除人を呼び、弟子が沐浴を終えた後に、その日集めたゴミを彼の体に投げつけるように言いました。

 そして弟子が沐浴を終え、掃除人が彼の体にゴミを投げつけたとき、弟子は目に涙をためてその掃除人にお辞儀をして、謙虚な態度でこう言いました。

「兄弟よ。あなたは私にとても喜ばしいことをしてくださいました。あなたがこれをしてくれなかったなら、私はどうやってこの自分の怒りという束縛から自由になることができたでしょうか。私は今、心からあなたにお礼を申しあげます。」

 そして弟子が師のもとへ行くと、師は喜んで彼を受け入れ、奥義を伝授しました。そしてその奥義を懸命に修行することで、彼はついに目の当たりに神を見ることができたのでした。

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