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ゴーラープ・マーの生涯(11)

 覚醒した魂の日々の行動を知ることは、霊的求道者にとって非常に重要なことです。ホーリーマザーはあるとき一度、このように言いました。

「ゴーラープ・マーは、ジャパを通じて完成の域に達しています。」 

 ゴーラープ・マーはウドボーダンの家では、毎朝4時に起き、洗濯をしたあと、部屋で3時間、ジャパと瞑想を行なっていました。そして寺院へ行き、師とホーリーマザーに礼拝をしに行きました。
 その後、調理人に渡すための野菜を貯蔵庫に取りに行きました。彼女がその野菜を切り始めてから、調理人も彼の仕事を始めることができたのでした。
 朝遅く、彼女はホーリーマザーとガンガーへ沐浴に行き、礼拝用にガンガーの水を真鍮の水瓶に入れて持って帰りました。そのあと再びキッチンへ戻り、ヨーギンマーと一緒にさらに野菜を切りました。
 彼女はまた、毎日キンマの巻物を約100本作りました。礼拝が終わると、マザーのためにプラサードを脇へ置いて、その残りを僧や信者、家の従事者たちに分けました。
 昼食後、ゴーラープ・マーは少しの休息をとってから、マハーバーラタやギーター、シュリー・ラーマクリシュナやスワミ・ヴィヴェーカーナンダに関する本を読みました。
 午後は、夕食のための野菜を切ったり、出家僧のために、枕カバーや蚊帳を繕ったりしていました。その後、彼女はホーリーマザーと話をしたり、近所のバララームの家を訪ねたりしました。
 夕食の準備が終わると、彼女はまた師とホーリーマザーに礼拝をして、部屋で夜9時まで、霊性の修行を行ないました。
 夕食の間は、皆のために捧げもののフルーツや甘い食べ物を分けました。皆の食事が終わって誰もいなくなってから、ゴーラープ・マーは自分の食事の用意をしました。
 彼女はホーリーマザーの家の中で、すべてをぬかりなく管理していました。

 ゴーラープ・マーは、規則正しさと清潔さを好んでいました。もし家の誰かが服を脱いだままにしておけば、彼女はそれを洗って元の場所に戻したのでした。彼女はまた、様々な用具や礼拝用の器などに絶えず注意を払っていました。彼女は無駄な浪費をすることに耐えられませんでした。ホーリーマザーもまた同じでした。もし使えない用具や古い物があれば、ゴーラープ・マーは新しい物に取り替えました。野菜の皮や食事の食べ残しは牛に与えました。家の豚が好むことを知って以来、彼女はキンマの茎さえ残して、家畜に与えていました。調理の燃料用には、オレンジの皮やさとうきびの繊維を干していました。

 非常な倹約家であったことに加えて、ゴーラープ・マーはまた、優しい心と寛容さを持ち合わせていました。彼女はお小遣いとして、孫息子から毎月10ルピーをもらっていました。その半分は彼女の食事用にウドボーダンの事務所へ渡し、残りの5ルピーは、施しで与えていました。ウドボーダンには手ぶらの物乞いはいないほどでした。ゴーラープ・マーはいつも、夜遅くであっても彼らの呼びかけに応じ、ときどき彼女は医者の信者たちに、貧しい人達や病気の隣人たちの無料の治療をお願いしました。彼女は他者への奉仕によって至福を感じていましたが、彼女自身は、大きな困難でない限り、いかなる奉仕も受けませんでした。

 あるとき、盲目の乞食がウドボーダンの家の前に立って叫んでいました。

「ラーダーゴーヴィンダ! マザーナンダラーニー(クリシュナの育ての母親の名前)、どうかこの盲目に哀れみを!」

 その叫びを聞いて、ホーリーマザーは信者たちに言いました。

「あの乞食はこの通りをほぼ毎晩通っています。かつては彼は『この盲目に哀れみを、マザー!』と言っていました。あるときゴーラープ・マーが彼にこう言いました。『こっちをご覧なさい。助けを乞うお願いごとに、ラーダーとクリシュナの御名を一緒に唱えたらどうかしら? それは主の御名を聞く人にとっても唱えるあなた自身にとっても良いことよ。盲目を嘆くだけなんて、なんて哀れなのかしら。』それ以来、彼はラーダーゴーヴィンダの御名を口にしながらここへ来るようになりました。ゴーラープは彼に衣服を与え、彼はときどきお金をもらえるようになったのよ。」

 あるときゴーラープ・マーは、ウドボーダンのホーリーマザーの浴室を掃除していました。そしてそのあと服を着替えて、捧げもののフルーツを準備しました。
 ホーリーマザーの姪のナリニは非常に潔癖で、ゴーラープ・マーの行ないを見て、ショックを受けました。彼女はゴーラープ・マーに、ガンガーへ行って沐浴をし、身を清めてからフルーツを切るように言いました。ゴーラープ・マーはそれに対して、「そうしたかったらあなたがしてきなさい!」と言いました。ホーリーマザーはナリニに、「ゴーラープの心は純粋で気高いのです。だから、何が清らかで何がそうでないのかという観念を持っていないのですよ。彼女は今生が最後の生なのです。」

 しかしこれはゴーラープ・マーがガンガーへの尊重を持っていないということを意味しているわけではありませんでした。それどころか、彼女のガンガーに対する信仰は、彼女が非常に年老いて、杖をついて歩かねならなくなっても、毎日沐浴のためにガンガーへ行くほどのものでした。そして少しでもガートが汚れていたら、服を裂いて汚れをぬぐい、水でその場所を洗ったのでした。無私の心で彼女は人々に奉仕をし、カルマヨーガの理想を実践しました。

 ある日、最後の訪問となったヴァーラーナシーで、ホーリーマザーはゴーラープ・マーと数人の仲間と一緒に座っていました。そこへ、見覚えのないある女性が敬意を捧げにやってきました。女性の目は最初、威厳のあるゴーラープ・マーの姿に止まりました。そして女性がゴーラープ・マーのところへ行き、御足の塵を取ろうとすると、ゴーラープ・マーはすぐにホーリーマザーを指さしました。女性がホーリーマザーのところへ近づくと、無邪気ないたずら心で、マザーはゴーラープ・マーこそが女性が探している人だというふうに指さしました。ゴーラープ・マーは再び女性の注意をホーリーマザーへ向けましたが、マザーは再びゴーラープ・マーを指さしました。これが数回続き、ついにゴーラープ・マーはそのよそから来た女性へ、やや鋭く、「人間の顔と、神性なお顔の識別ができないのですか?」と言いました。そして女性はようやくマザーのお顔の魅力と美しさに気付いたのでした。

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