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グル・バクティヨーガ(93)「すべての恩寵を与えし御方」

◎すべての恩寵を与えし御方

 カルパカ・ヴリクシャ(如意樹)、カーマデーヌ(如意牛)、チンタマニ(如意宝珠)が、求められた恩寵を本当に授けてくださるように、グルも、望むものは何でも与えてくださる。ゆえに、真の弟子はまさに、解脱に達するためのウパニシャッドの偉大なる叡智を求めるべきである。

 ちょうど赤子が、まだヨロヨロとしか歩けないとき、自力で歩いては転んで、また立ち上がり、そしてお母さんの助けを必要としてお母さんを呼ぶように、修行の初期段階の弟子も、慈悲深きグルの導きを必要とし、求めるべきである。

 真の弟子は、子供のように、解脱への強烈な渇仰を持ち、それを表現すべきである。その分だけ、グルはその渇仰を実現させるよう手伝ってくださる。この渇仰が努力と呼ばれ、そしてグルの慈悲深き手助けは、手を差し伸べる母の優しさのような恩寵である。

 美しく像を仕上げるためには、必要なことが二つある。――一つ目は、完璧な、申し分のない大理石である。そして二つ目は、熟練した彫刻師である。大理石は、彫刻して素晴らしい像へと仕上げられるために、まさに無条件で彫刻師の手の中に置かれる。このように、弟子も、自己を清めて浄化し、自分を完璧で申し分のない大理石とし、自分を師という熟練した導き手の下に置き、彫刻して神の像へと仕上げていただくべきである。

 ちょうど、太陽が昇ると共にすべての闇が消え去るように、弟子の心の中にあるアヴィディヤー(無明)とアヴァラナ(無智のヴェール)は、グルの恩寵が降るとともに、ただちに消え去るのだ。

 ちょうど、照り付ける日差しに焼かれた人が、涼しい木陰の中に限りない安堵感と幸福を見出すように、または、暑い夜、涼しい月光に限りない幸福を見出すように、輪廻という焼け付く光線に焼かれている人、そして平安を切望するすべての人は、ブラフマーニシュタ・グル(ブラフマンの叡智を得たグル)の御足に、その求めている平安と幸福を見出す。

 ちょうどチャータカ鳥が長い間待った後に、雨水の滴だけでその喉の渇きを癒すように、真の弟子はグルにお仕えし、必ずやすべての苦痛を癒し、彼を永遠に解放してくださる「ウパデーシャの言葉」を待つべきである。

 火が生来、その範囲内に来るものすべてを焼き尽くしてしまうように、ブラフマーニシュタ・グル(ブラフマンの叡智を得たグル)の恩寵は、その者がどんな者であろうとも、そのような慈悲深きグルを求める者の罪をすべて、本当に焼き尽くしてしまうだろう。

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