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アディヤートマ・ラーマーヤナ(27)「シャラーバンガとスティクシュナのアシュラムへの訪問」

第二章 シャラーバンガとスティクシュナのアシュラムへの訪問

◎シャラーバンガのアシュラムにて

 ヴィラーダが解脱の境地に達した後、ラーマはシーターとラクシュマナと共に、聖仙シャラーバンガの庵のある平穏な森へと向かった。
 シーターとラクシュマナを連れて到着されたラーマを見て、高尚なる聖仙シャラーバンガは、訪問者への敬意から、急がずに座から立ち上がった。
 そしてシャラーバンガは真心を込めて彼らを歓迎し、彼らに座を用意し、それから根や果物などの森で採れるもので彼らをもてなしたのだった。
 一切の帰依者の拠り所であるラーマが自分の庵にいらっしゃるということに歓喜し、聖仙シャラーバンガはこう言った。

「おお、ラーマよ! あなたは真に一切の主でいらっしゃいます。あなたにお会いできることを期待して、私は苦行に従事することを決意し、ここで長く暮らしておりました。私が積んできた功徳、そのすべてを私は、モークシャやムクティを獲得することができるよう、あなたに捧げます。」

 このようにすべての功徳をラーマの御足に捧げた後、放棄の心で満たされた聖仙シャラーバンガは、シーターと一緒にいらっしゃるその計り知れなき御方、ラーマの前で礼拝した。そしてその後すぐに、彼は身体を炎の中に委ねる用意をすると、ラーマに心を没頭させたのだった。
 彼はドゥルヴァの草のように青く、蓮華の眼を持ち、木の皮の衣を纏い、髪をジャータにし、シーターとラクシュマナを連れ、一切の心の中に定住しておられるラーマの御姿を長い間瞑想して、心に抱いていた。
 彼はこう考えた。

「見よ! 帰依者たちに対してとても慈悲深く、とても寛大な御方が、ラーマ以外に誰であるというのだ? 不可思議の中の不可思議である彼は、御自分の意思で、私が彼のことを常に思っていたということを直観されて、私を祝福するためにここに来られた。
 心の中を浄化し、炎の中にこの身を投じることで、私はダシャラタの子としてお生まれになった至高者ラーマのまさに御面前で、ブラフマーの世界に達しよう。
 アヨーディヤーの主ラーマが――雲の中の稲妻のようなシーターがその御膝に座られるラーマが――永遠に私の心に住まれますように。」

 シャラーバンガはこのように長い間、ラーマの前に立って彼を心に瞑想しながら、ラーマを見ていた。そして薪に火を点けると、彼は自らの肉体を焼いて灰にして神の身体を得、ブラフマーの世界へと至った。その後、ダンダカの森に住む多くの苦行者が、シャラーバンガの庵にラーマに会いに来たのだった。

◎ラーマが悪魔を絶滅させることを誓う

 すべてのそれらの聖人に会うと、マーヤーの力によって人間の姿という方便をとられたラーマとラクシュマナとシーターは、すぐに完全なる礼拝を捧げて彼らに挨拶した。
 彼らは一切の者のハートに住まう御方であられるラーマに祝福を与えると、ハリそのものであられ、弓と矢を身につけていらっしゃる彼に合掌してこう言った。

「われわれは、あなたがマハーヴィシュヌ、シーターがあなたのコンソートのラクシュミ―、ラクシュマナがシェーシャ、そしてバラタとシャトルグナがあなたの法螺貝と円盤であると知っております。ブラフマーによって懇願され、あなたは地球からその重荷を取り除くために、この世に化身されました。ゆえに、リシたちからその悲哀と困難を取り除くことは、あなたの使命の主な目的の範疇であります。
 おお、ラーマよ! あなたがシーターとラクシュマナと共に、苦行者たちが住まう森を見に来てくださいますように。われわれがあなたをその場所へと案内いたしましょう。あなたがそこを見物され、われわれの生活状態を知ったとき、あなたはわれわれへの強烈な慈悲の衝動に心を動かされるでしょう。」

 このように彼らに祈るように懇願され、全能のラーマはそれらの苦行者たちを引き連れて、彼らの住処を見に行かれた。
 彼らの住居で、ラーマはあちらこちらに幾多の人間の頭蓋骨を見つけた。その光景を見て、ラーマはこう尋ねられた。

「これらの頭蓋骨は誰のものなのですか? どうしてこんなものがここに落ちているのですか?」

 苦行者はこう答えた。

「まさしくそれらはリシの頭であります。
 苦行者たちが瞑想の境地に入って外界の意識を失っているときに、悪魔が彼らの頭を食い、その骨をあちこちに捨てています。彼らは瞑想に入った聖者が外界の意識を失う頃を見計らって、慎重にこれを行うのです。」

 このリシやムニたちの哀れな言葉を聞き、ラーマはその場ですぐに、そこにいるすべての悪魔族を滅ぼすという誓いを立てた。
 このようにラグ族の気高きラーマは、シーターとラクシュマナと共に、数年を費やしてその地域のリシたちに会い、至る所で苦行者たちから心からの歓迎を受けたのだった。

◎スティクシュナのアシュラムにて

 その旅の中で、ある日ラーマは、年中心地よい気候であり、年中常に作物の恩寵を授かり、幾多のリシたちが住んでいる、スティクシュナのアシュラムに到着した。
 スティクシュナは聖仙アガスティヤの弟子であり、ラーマの聖なる御名を常に唱えていた。ラーマの到来を耳にすると、彼はそこに行って、彼の目の前に顕現された偉大なる信仰の魂に感動し、正当な礼拝をもって彼を歓迎した。
 スティクシュナはこう言った。

「ああ、ラーマよ、シーターのコンソートよ、すべての者の喜びよ! あなたは認識の範疇を超越した無限なる素晴らしさを有しています。あなたの御足はパラメーシュワラとブラフマーによってでさえも追い求められるのです。あなたは一切のジーヴァが輪廻の海を渡るための完璧なる舟であります。私はあなたの聖なるマントラの復唱に心奪われた者であり、あなたのしもべのしもべです。
 私は不浄なものの塊であるに過ぎない身体と一体であるという認識の縄で縛られた者です。私は妻や子供や他の世俗的な関係を軸とした、家庭生活という古井戸に投げ込まれました。しかし、この宇宙の一切の衆生の知識を超越したあなたが、あなた御自身の意思で私を探し、ここに来てくださいました。
 あなたは一切の者の心に住んでおられるにもかかわらず、あなたの人を迷妄にする力によって、あなたの御名を唱える気がない者たちの視覚を隠しておられます。しかし、マーヤーの迷妄はあなたの聖なる御名の復唱に身を捧げる者たちには影響を与えません。天樹カルパカ・ヴリクシャのように、あなたの恩寵の果実は、あなたを探し求める者たちに降りるのです。あなたは宇宙の創造、維持、破壊の原因であられる御方。サットヴァ、ラジャス、タマスの三グナを伴ったマーヤーを帯びて、あなたはブラフマー、ヴィシュヌ、マヘーシュワラとして、三つの要素の形で顕現されます。ああ、至高者よ! 一つの太陽がさまざまな水入りの壺の中に多くのものとして映るように、あなたはさまざまな付加条件に応じて、さまざまな姿をおとりになられるのです。
 ああ、ラーマよ! タマスの闇を超越し、究極の対象物であられるあなたは今日、知覚の対象として私の前に喜んで正体をお現しになられました。あなたは邪悪な者たちには見ることができないにもかかわらず、あなたの聖なる御名によって浄化された心を持つ者たちには本当に御姿を現してくださいます。
 ああ、ラーマよ! 形を持たないにもかかわらず、あなたはマーヤーを伴って形をおとりになられました。私は私の目の前で、そのようにとられた無数の愛の神よりも美しい人間の御姿――慈悲に溶け込んだ心を示す甘い微笑みと、手に優美な弓と矢で人々を魅了する御姿のあなたを見ております。
 より一層あなたに礼拝し奉ります。おお、ラーマよ! シーターに伴われ、スミトラーの息子ラクシュマナに仕えられ、鹿の皮を着て、青蓮華のように華々しく、非常に寂静であり、無数の素晴らしいものの中心であり、一切の自己制御された者たちの奉仕と信仰の対象であられる、私の唯一の富と幸運よ。
 ああ、ラーマよ! 哲学者に、空間や時間のようなあらゆる種類の付加条件と純粋意識の光明を超越したものとして、あなたを理解させてください。しかし帰依者である私は、私の前に具体的な存在としておられるお姿以外何も切望しません。それが常に、私の意識の中で光り輝きますように!」

 この賛歌を供養した聖仙スティクシュナに、ラーマは微笑みながらこう仰った。

「私への愛によって、あなたがとても純粋になったということを私は知っている。私があなたに会いに来たのは、そのゆえなのだ。私を悟るためには、信仰以外に手段はない。私のマントラを繰り返し、他の何にも誰にも依存することなく私の下に庇護処を求める者たちには、私はいつでも正体を現わす。あなたが私に歌ったこの賛美は、私にとって愛しいものである。この賛美を常に学ぶ一切の者は、その中に純粋な信仰と霊性の光明が生じるであろう。あなたはあなたの私に対する信仰によって、この世界にいながらも自由になった。肉体の消滅後、あなたはサーユージャ――私と一つになると――を得るだろう。それに疑いはない。
 私はあなたの師、大聖アガスティヤと会いたい。そしてしばらくの間、聖者が住まう地域に住んでみたい。」

 スティクシュナはこの提言に同意し、こう言った。

「ああ、ラーマよ! 明日そこへ行きましょう。私もあなたに同行致します。私があの聖者とお会いしてから、今や大分長い時が過ぎました。」

 翌朝、聖仙スティクシュナに連れられて、シーターとラクシュマナとラーマは、その聖者と親しく語ることを心待ちにしながら、アガスティヤの兄弟の住処に向かって出発したのだった。 

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