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『釈迦牟尼如来』(14)

 お釈迦様は約束どおり、早朝、ヤサと共に、ヤサの父母の家へと、食事の供養を受けに出かけました。

 そこへヤサの母とヤサの妻が出てきて、お釈迦様を礼拝しました。

 お釈迦様はヤサの母親と妻に、『順序に従った訓話』を行ないました。すなわち、

1.布施のすばらしさ
2.戒のすばらしさ
3.天界に生まれることのすばらしさ
4.欲望のデメリットと、欲望から解放されること(解脱)のメリット

 これらの教えを段階的に説いていきました。そうして世尊は、ヤサの母親と妻の中に、健全な心、柔和な心、偏見にとらわれない心、歓喜の心、澄み切った心が備わったのを知り、最高の教えである『四つの真理』をお説きになったのでした。その教えを聞いて、ヤサの母親と妻の中に、けがれの無い法眼が生じました。

『およそ原因と条件によって生起する性質のものは、すべて消滅する性質のものである』

と。

 こうしてヤサの母親と妻は、法を見、ダルマを得、ダルマを知り、ダルマに深く入り、疑念を超え、確信を得て、ゴータマの教えのうちにあって他人に頼ることの無い境地にいたり、世尊にこのように言いました。

『すばらしいことです、尊師よ。
 すばらしいことです、尊師よ。
 ちょうど、倒れた者を起こすように、
 あるいは、覆われたものを顕にするように、
 あるいは、方角に迷った者に道を示すように、
 あるいは、【眼ある人々は見るであろう】と言って暗闇の中に灯火を掲げるように、
 世尊は種々の方便で真理を明らかにされました。
 私は今、尊師に帰依し奉ります。
 また、教え(ダルマ)に帰依し奉ります。
 また、出家修行者の集い(サンガ)に帰依し奉ります。
 世尊は私を、在家信者(ウパーサカ)として受け入れてください。
 私は、今日から命の終わるまで帰依いたします。』

 こうしてヤサの母親と妻は、一番はじめに三宝帰依を唱えた女性の在家信者となったのでした。

 

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