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「陥った事態を瞑想」

◎陥った事態を瞑想

【本文】
十四.もし悪習に逆戻りするならば、自分の陥った事態について瞑想してください。

 これはこのままですね。つまり教えを学び、自分を変えていき、そしてそのまま何も躓かずに行ければすばらしい。もちろん行けるかもしれないよ。そういう人もいるかもしれない。でも多くの場合は、行っては戻りを繰り返す。

 つまり、わーっと調子良かったんだけど、いろんなカルマが出てきて、また悪習――つまり前みたいな悪い心が出てきたり、あるいは悪いこと始めたりっていうことがあるかもしれない。そのときこそ、自分は今どんな状態に陥ってるのかを、深く瞑想し考えなきゃいけない。こんなんでいいんだろうかと。

 あの、この心の訓練の教えっていうのは、結局「念正智」っていうのがメインなんだね。念正智っていうのは、つまり、「いかに自分を観察し続けるか」です。さっきのヴィパッサナーとも通じるけども。いかに自分を観察し続けるか。

 もし悪い状況にあるんだったら――それをわれわれは放っておくからどんどん悪くなるんです。じゃなくて、認識して、いかにわたしが悪い状況にあるのか――いつも言うけど、人間ってある特定の意識にはまるんだね。はまるとそこしか見えなくなります。で、前にどんないい状況だったかを忘れます。それをちゃんと認識する。

 「わたしは一ヶ月前、神のことばっかり考えてた。でも今は食べ物のことばっかり考えてる」と(笑)。「これは完全に衰退である」と。

 あるいは、「一ヶ月前、仏陀とか神とかばっかり言ってたのに、最近は隣の人が憎くてしょうがない」と。「これはまさにマイナスである」と――これを繰り返し考えて、危機感を持たなきゃいけない。そこから脱出するのも、そこから始まらなきゃいけない。だからこれも念正智の延長上にあるんですね。

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