yoga school kailas

「責任を他者に押し付けない」

◎責任を他者に押し付けない

【本文】
⑮自分の責任を他者に押しつけません。

 「自分の責任を他者に押しつけません」。これもまあ読んだとおり。これはさっきの「外的条件をあてにしません」ともまた関わってくるけども、外的条件をあてにしない――あてにしないどころか、押し付けると。自分の責任をね。これは駄目だと。

 つまりそれはカルマ・ヨーガ的にいうと、「これはわたしがやるべきことである」と。「わたしの義務である」というのがあったとして、それを苦しいとか嫌だから誰かに押し付けてしまうと。これはもちろん駄目だっていうことだね。これはもう読んだとおりのことだね。

◎成果を自分の手柄としない

【本文】
⑯協力して成し遂げた成果を、自分の手柄としません。

 これも読んだとおりです。これは修行と関係ある場合、関係ない場合とあるだろうけど、協力して成し遂げましたと。誰と誰と誰の協力で成し遂げましたと。で、それを、「おれがやったんだ」と。ね(笑)。やっぱりこれも人間の中にそういうプライドとか、あるいは人からよく思われたいっていう気持ちがあるから、一般的にそういうふうになってしまいがちだと。

 協力してもらってるときはすごく友好的なんだけどね(笑)、一旦成功すると、「いや、おれの手柄だ」と。

 これは一般的にもそういう話ってよくあるよね。例えば歌手とかでもそうだけど。あるいはなんか事業成功させたときもそうだけど、やってるときは頑張って協力してやってるんだけど、それが例えば成功したり、バーッて大成功して世間から認められたときに、「いや、これはすべて僕一人でやったんです」と。「彼らもまあちょっとは手伝ってくれましたが、まあちょっと足手まといでしたね」とかね(笑)。で、それで喧嘩すると。「何言ってんの!」と。「おまえ、おれがこれをやらなければできなかったじゃないか!」――そういうくだらない喧嘩が始まる。こういう気持ちじゃ駄目だと。

 で、これは裏の意味、逆の意味もあって、それを仮に相手がやったとしても、それに対して心を動かしてはいけない。つまり、自分と相手と何人かで協力して頑張って成し遂げましたと。そしたらそのうちの一人が「おれの力だ!」って言い出したとしても(笑)、それは怒ってはいけない。「ああ、そうですね。あなたの力です。わたしはちょっとだけ手伝っただけです」っていうぐらいの心の余裕がほしいね(笑)。

 これもだから自分の中に持っておいて、人生の中でそういう場面が生じたときにね、もちろん自分はそういうふうに思っちゃいけないし、あるいはまわりがそういうふうに思ったときにそれを批判してもいけないっていうことですね。 

 まあだから、逆に言うと、常に自分の問題に関しては、やっぱり感謝の気持ちがとても大事だね。常に、ちょっとしたことでも感謝する。例えばさっき挙げた例で言ったらね、自分に対して多くの人が少しずつ協力をしてくれたと。で、それによって何かが成功したと。で、そこで「いや、メインでやったのはおれだ!」「君達がいなくてもできた」っていうそういう傲慢な態度ではなくて、「確かに、彼らの協力は少しではあったが、この少しの協力がなかったらできなかったかもしれない」――そういう気持ちを持つわけだね。だからそれはほんの少しの協力かもしれないが、本当に感謝すると。君がいなければできなかったと。こういうような思いを普段から持つ訓練をしていたら、こういう過ちに陥らない。はい、これも一つのポイントですね。

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