「私が見たブラフマーナンダ」より「我が師」(12)
クリスマス休暇の間、私はマハラジが滞在されているベルル・マトを訪問しました。わたしはスワミ・ヴィヴェーカーナンダの弟子の中でも偉大な学者であったスワミ・シュッダーナンダの元で、シャンカラの解説によるヴェーダーンタ哲学を学んでいました。
彼はわたしが僧院に入ることを望んでいたので、彼の元で学ぶにつれ、わたしたちはよく言い争うようになりました。
当時わたしは、スワミジのお仕事をしていない僧たちは怠惰な人々であり、われわれ学生革命家は、インドの自由を望まれたスワミジの後に付き従う者たちであると、いつも反論していました。
彼はわたしを、どうやっても説得することができなかったです。
その場にはいつも一人の老紳士がおり、わたしたちのこのやり取りのすべてを聞いていました。
わたしたちは毎日マハラジの元に、朝の挨拶をしに行くことが慣例となっていました。
ある日、朝の挨拶をしに行くと、この老紳士も私の後についてきました。
すると、この老紳士はマハラジに、
「マハラジ、この少年はいつ僧になられるのでしょうか?」
と尋ねました。
マハラジはしばらく沈黙なさってから、私の頭の先から爪の先までをご覧になると、こうおっしゃいました。
「神の思し召すときに。」
すると突然、私の中で変化が起こりました。私の革命運動に対するすべての考えや、それに伴ったすべてのことが、一瞬にして変わってしまったのです。
わたしはマハラジに何も告げぬまま部屋を出ると、スワミ・シュッダーナンダに
こう言いました。
「わたしは出家します! 」
「なんだって!?」
「はい。」
「突然、どうしたというんだい?」
「特に何も。」
とわたしは答え、さらにこう言いました。
「たった今、僧院に出家することを決めたのです!」
約一ヶ月後、ヴィヴェーカーナンダの聖誕祭のときに、二十四人の少年たちが、ブラフマチャリヤーの誓い――第一の“出家”の誓い――を立てました。
マハラジは、ブラフマチャリヤーを与えられるすべての少年たちが、スワミ・プレーマーナンダより推薦され、許可された者であることを望まれていました。
わたしは以前、大学から無理やり連れてきた友人であるパレッシュ(後のスワミ・アムリテーシュワラーナンダ)と一緒に行き、わたしたちはマハラジと共に席に着きました。
彼はわたしたちを見ると、こうおっしゃいました。
「君たち二人は、なんの推薦も必要ないよ。」
こうしてわたしたちはブラフマチャリヤーを与えていただいたのでした。
わたしの両親はすっかり気が動転してしまい、せめて数日だけでもわたしが家に帰ってくることを望みました。彼らの度重なる懇願のゆえ、わたしは同意せざるを得ませんでした。
その頃、マハラジはカルカッタのバララーム・マンディルにいらっしゃいました。わたしはそこを訪ね、彼にわたしの両親の願いについてお話ししました。
彼は、「ああ、お行きなさい」とおっしゃいました。
また、同じ時期に興味深い出来事がありました。
わたしは髪をすっかりと剃り落としていました。マハラジは、わたしよりも年上のバララームの息子に、わたしを紹介しました。そして、わたしの頭に手を置いて、私を紹介しながら、私の頭をこすりました。
彼はその一触れにより、何かを私に授けられました。
お分かりのとおり、言葉や教えによってではなく――このようにしてマハラジはバクティをお授けになったのでした。
それから、そのバララーマの息子である紳士は、わたしより先にわたしに平伏したいと思っていましたが、同様にわたしも彼より先に彼に平伏したいと思っていたので、激しい競争になったのでした!
わたしはマハラジから離れるのがとても嫌で、両親と過ごす間もずっとマハラジのことだけを考えていました。
そしてある朝早く、わたしは家を出て、駅に向かい、チケットを購入しました。まさに電車に乗り込もうとしたそのときに、わたしの兄が現れて、わたしを電車から引っぱり下ろし、こう言いました。
「母さんが泣いているぞ!」
こうしてわたしは再び家に戻ったのでした。
母はわたしに
、「もう大丈夫よ。あなたは行かなくてはなりません。でも、このようにして旅立つべきではないわ」
と言ってくれました。
それから一週間後、両親はわたしに旅立ちのための資金を与えてくれました。
一ヶ月が過ぎても、わたしは友人のパレッシュに便りも出さずにいたので、彼は
、「ああ、あいつは世俗に堕ちてしまった」と思っていました。
ある日、マハラジは彼に
尋ねられました。
「そういえば、君の友達はいつになったら戻って来るんだい?」
「ああ、マハラジ、彼から便りがないのです。わたしは彼が戻ってくるとは到底思えません。」
しかし、マハラジはこうお答えになりました。
「彼は明日の朝、戻ってくるよ。」
そしてその通り、わたしは翌朝に戻ってきたのでした。
わたしの友人は、わたしが友人に手紙の一つも出さなかったにも関わらず、マハラジは私が戻るということをすでにご存知だったと教えてくれました。