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「ナーグ・マハーシャヤ」(8)

 ナーグは、世俗的な会話を徹底的に避けていました。もし誰かが世俗的な話題を持ち出そうものなら、その会話をやめさせて、
「シュリー・ラーマクリシュナに栄光あれ! なぜこのような話にふけるのか! どうか主の御名を思いたまえ!」
と言いました。

 また、彼は自己の中に、他者への怒りが生じたのを感じると、それがいかなる理由であれ、手元にある物で自分自身を殴り続けるのでした。
 また、ナーグは、他者を怒らないだけではなく、もちろん、他者に悪口や批判の言葉を述べることもありませんでした。たった一度だけ、他人の悪口を言ってしまったとき、それに気づいた瞬間、彼は石を手にとって、自分の頭を殴り続けました。見る見るうちに血が滴り落ち、その怪我が治るまでに一ヶ月以上もかかりました。これについて、ナーグはこう言いました。
「これは正当な罰である。意地の悪い人間は罰を受けるべきである!」

 あるときは、法友のスレーシュがナーグの家を訪問したとき、ナーグはちょうど料理をしているところでした。おそらく、スレーシュを見たナーグの心に、何か好ましくない感情がわいてしまったのでしょう。ナーグはいきなり鍋を叩き壊し、苦しみ泣きながら、スレーシュに頭を下げて、
「私はまだ邪悪な心から解放されていない!」
と言いました。

 ラーマクリシュナの在家信者の一人であるギリシュ・バーブが、よくこう語っていました。
「常に打ち続けることで、ナーグ・マハーシャヤは、自我の頭を粉々に砕いた。何をもってしても、もはや彼の自我の仮面をよみがえらせることはできなかった。」

 ナーグは、道を歩くときは、常に人の後ろを歩きました。浮浪者や子供たちにさえ道を譲り、謙虚に彼らの後ろを歩きました。また、彼は人の影を踏まないように気をつけ、また他人のベッドに腰掛けることもしませんでした。
 なぜなら、ナーグ・マハーシャヤは、至高者の献身的な召使だったからです! 偏在者である至高者は、すべての生き物の中に存在しており、その主がどのような容姿で彼の前に現われようとも、謙虚に仕える準備ができていたのです。
 

つづく

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