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「トンラ」

◎トンラ

 はい、最後がトンラ。このトンラっていうのはまた今度は、今までのこのトゥンコルとかトゥルコルっていうのは身体技法でしたが、今度はトンラっていうのは、瞑想による本格的な修行の準備みたいなやつですね。

【本文】

1-2 トンラ

『「生起次第」で述べたように、自分がイダムであることを観想する。

 頭頂から足の裏まで、全身が膨らんだ風船のように空っぽであると観想する。

 身体が空っぽであるという認識が堅固になるまで続ける。』

 これは読んだ通りですが、つまり本格的な修行の準備段階として、イダム――つまりさっきも言った何らかの神や仏陀に自分が変身したとイメージする。しかし、これは「風船のように空っぽ」って書いてあるけど――何て言ったらいいのかね、まあそうですね、風船のように空っぽでもいい。つまり、外側はあるんだが、内的な実体は何もないって考えるんですね。でも、そう言われても良く分かんない――あのね、現代的なイメージだと、まさに――なんて言うんだっけ?――ホログラフィみたいな感じ。スターウォーズとかにも出てくるような、立体的に浮かび上がる映像みたいなのってあるよね? ああいう感じ。あるいは虹のようにとかもいわれるけども、あるように見える、そこに存在するように見えるんだけど、実際は手を当ててみると何も無い。そういうイメージね。でもそれは、ちょっとイメージとしてしにくいんですね。だから別のやり方として、ここに書かれてる「風船のように」って説かれる。つまり、外側はありますよ。外側の外枠はあるんだけど、中は空っぽだっていうふうにイメージする。
 これはね、より高い段階において、内側にチャクラをイメージしたり、あるいはさっきから言ってる中央の気道をイメージしたりするわけだけど、われわれにはそもそもその前の段階で、小さい頃から教え込まれた肉体に対する普通のイメージがあるんだね。普通のイメージっていうのはつまり、内臓があったり骨があったりとか。
 で、それはもちろんそういう瞑想するときはそれでいいんですよ。例えば四念処の瞑想とかで、肉体っていうのは内臓があり骨があり糞尿があって、こんな不浄なものなんだって瞑想するときは、その瞑想でいいんだけど、今度はより高い瞑想においては、肉体をそういうものと捉えるんじゃなくて、ナーディーとかチャクラっていうレベルで捉えようとする。そのために、その内臓とかそういうイメージがあると駄目なんだね。だからまずはすべて空っぽにしてしまいます。外側は仏陀や神の姿、そして内側は空っぽだと。何もない空なんだと。ちょうど風船のように中は空洞であるっていうようなイメージを、強くまず持つんだね。これが準備としてしっかりとできると、その後の本格的な六ヨーガの修行がしっかり進むようになる、ということですね。

◎トンラの瞑想実践

 じゃあ、最後にちょっとだけこの瞑想もしてみましょうかね。はい、みなさん目をつぶって――よくやってる観音様のイメージでいきましょう。はい、まず自分が観音様であるとイメージします。そのイメージを簡単に言いますよ。まず全身の色は真っ白。そして衣を着ていますが、衣の色は、黄色・白・赤・グリーン・ブルーの五色です。デザインは好きなデザインでいいです。とにかくこの五色で彩られています。黄色・白・赤・グリーン・ブルーね。
 腕は四本あります。四本のうちの左右の一本ずつを胸の前で手を合わせ、その手の中に宝石を持っています。右手のもう一本の手は横に伸ばして数珠を持っています。左のもう一方の手も、左側にちょっと伸ばして、青い蓮華の花を持っています。
 はい、そして、左肩に鹿の皮でできた肩掛けをしています。そして眉間のところに第三の眼があります。つまり三つ目なわけですね。
 はい、そして、頭のてっぺんに――観音様の師匠は阿弥陀如来、アミターバなわけですが――師匠に敬意を表して、阿弥陀如来の顔がね、その観音様の頭の上にぼんっと乗っかっています。
 はい、自分がそのような観音の姿であるというまずイメージを強く持ちます。そして同時に、外側はそうなんだけど、中は、体の中は完全な空っぽ、空洞であるというイメージをします。頭のてっぺんから爪先まで、すべて空洞です。
 はい、このイメージをしばらく瞑想しましょう。

【瞑想中】

 はい、じゃあ瞑想を終わりましょう。こういう瞑想を準備段階としてひたすらやるんですね。

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