yoga school kailas

◎常に至高者と共に


◎常に至高者と共に

【本文】
『至高者と結ばれた状態で食べ、至高者と結ばれた状態で体を動かし、至高者と結ばれた状態で行為をし、
 至高者と結ばれた状態で眠り、至高者と結ばれた状態で目覚め、そしてヨーガを実践すれば、苦悩はすべて取り除かれる。』

 はい。これは素晴らしいね。素晴らしいけどね、実はここ、もともと日本語訳してるもののテキストではちょっと違う表現になっちゃうんだけど、原文を見て私がこういうふうに変えたんだけど――至高者、つまり、それはまあそれぞれのカルマがあるからクリシュナでもいいし、あるいは仏陀でもいいし、あるいはミラレーパでもいいし、何でもいいんだけど、完全なる至高者のことを常に心に思い、私はそれに完全に合一しているんだという意識のもとに食べ、動かし、行為をし、眠り、目覚め、そしてヨーガを実践しなさいと。これは素晴らしいね。
 だから常に私は一緒にいるんだと。例えば食事をしてるときっていうのは、私が、さっき言ったように「私」っていう思いを抱いてしまうと、苦しみに放り込まれる。そうじゃないと。私は至高者と完全に一体化しており、至高者に食べさせているという思いで食事をすると。で、何をするにも至高者っていうものを心から離さない。
 これは前回とかも言ったけど、密教で言うところのマハームドラーとかゾクチェンの世界と非常に近い。あの世界っていうのは、常に心の本性から集中を逸らすなっていうんだね。その心の本性っていうのと、この至高者っていうのは全く同じです。表現が違うだけでね。この宇宙の本質にある完全なる実体というか――まあ実体っていってもちょっと違うんだけど、実体としかいいようのない唯一の完全なるものがある。それから一切心を離さずにすべての行動を行なうと。そしてヨーガ修行に励むと。そういうことやっている人っていうのは、苦悩はすべて取り除かれると。
 しかし、われわれはここでね、こういう勉強していながら、「ああ、そうなんだ」と思いながらも、ちょっと一歩歩くと、至高者からエゴの方に心がシフトするんです(笑)。で、「ああ私は……私は……私は……」って始まって、気づいたらもう苦悩の中に放り込まれている。だからこれはわれわれが日々目標としないといけないところだね。

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