yoga school kailas

◎勝手にバンダが入る

 はい、これについて何か質問ありますか? ここまで。

(S)バンダで、ギュッて上に引っ張られる状態っていうのはどういう……引っ張られるとどういう状態になってるんですか?

 いやいや、三ついっぺんに引っ張るんじゃないんですよ。あの、下の二つを引っ張って、プラーナは下げているんです、下に。

(S)先生がたまに、あの、自然に三つのバンダが入るっていう……

 ああ、勝手に入る時? あ、それはねえ、気の流れでいうとどうか分かんないけど、とにかく全体的に上に上がろうとしてるわけだね。まあウダーナ気が強まっているからね。気がグーッと上がろうという感じになっているから、勝手にそのバンダっていうシステムが始まってしまう。まあそうだね、それは原因としてはウダーナ気の上昇、で、結果的にさっき言ったこの三つの気の混じり合いが起きるだろうね。
 だから、バンダが勝手に入るとか、頭が上に引っ張られるとか、体が軽くなるとか、あるいは歩いていて跳ぶように歩くとか、この辺の兆候は非常にいいです。つまり気が軽くなって、上昇し始めて、かつ満ちてきた段階だね。だからこれはとてもいい傾向です。
 だから逆は駄目だよ。体が重くなりましたと(笑)。それからバンダが入りませんと。あるいはいつも下に引っ張られる気がしますと(笑)。これはもう修行が後退していることだと思った方がいい。
 あと蓮華座ね。蓮華座が痛くなくなってきたら、これはいいことだけど、逆にどんどん痛くなってきたり……まあどんどん痛くなった場合は、いい場合もあるよ。つまり、悪いカルマがどんどん出て浄化されるとき、それはどんどん痛くなります。そうじゃなくて、単に気が下がって痛い場合は、後退しているっていうか、悪い兆候だね。

◎ムドラーについて

 はい。じゃあチャクラに関してはクンダリニー・ヨーガの本編のときにもいろいろ出てくると思いますので、今日は最後に質問をとって終わりにしましょうか。今日の話と関係があってもいいし、全くない話でもかまいません。

(U)ムドラーは限界まで止めた方がいいんですよね。

 もちろん。

(U)限界まで止めるのを一回するのと、そこそこ止めるのを数回やるのとではどっちがいいですか?

 あのねえ、そこそこ止めるのを数回したら、それはねえ、ムドラーっていうよりも、ムドラーの効果はありません。プラーナーヤーマをある程度やったって感じだね。
 だからどっちも効果はあるんだけど、効果の質っていうか、狙いが変わってくるね。プラーナーヤーマっていうのはどっちかっていうと、体中に気を通そうとする。簡単にいうとね。ムドラーっていうのは、体中に通すっていうよりは、ガーンって上げてしまう。あるいは、詰まっている所に一気に通す。あるいは、一気に潜在意識に入る。それらのどっちの効果があるかだね。

(U)その、境目みたいのは。

 いや、でもそれはねえ、だんだん分かってくると思う。つまりムドラーをやると、確実に気が上がるから。だからそういう意味でいうと、こういうこというとちょっとあれだけど、慣れてくると、ムドラーに熟達してくると、ちょっと矛盾するけど、限界までやらなくても気が上がるんです。

(U)あー、辛くなくなるんですか。

 辛くなくなる。一応だから、ムドラーの目的は達成する。しかしもちろん、もっと止めればもっとすごいんだけど。ただムドラーの場合はねえ、長く止めることよりもバンダをいかに入れるかだね。そっちの方が強烈だね。だから皆も経験していると思うけど、初心者の場合は結構長い。逆にね、止めるのが。でもそのうち、「先生、最近息止めるのが短くなりました」……それはねえ、ムドラーが、バンダができるようになってきた可能性が高い。うん。しっかり入るとねえ、前よりもちょっと時間が落ちるんです。しかしその方がいい。

(U)根性を付けるっていう意味ではないんですか?

 根性をつけるっていう意味ではない(笑)。でも、根性もつくかもしれないけどね。根性っていうか、意志力ね。意志力がつきます。で、意志力がついたら、それは修行に大いにプラスになります。なぜかっていうと、意志力イコール集中力だからです。つまり集中力イコール瞑想の深さを決めるから。特にこの、意志力や集中力を中心にした修行が、ラージャ・ヨーガなんです。だからラージャ・ヨーガって、集中力によって心の奥に入っていくんです。だからそれはプラスになるかもしれないね。

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