「鳥のダルマの素晴らしき花輪」より（１６）

　それからツグミが立ち上がって、「チュウロン、チュウロン」と鳴きました。これは「何々から益を得る」という意味のある鳴き声です。

「聖なる教えからチュウロン（益を得る）。人間の身体を得ることができればね。
　正しいダルマからチュウロン（益を得る）。そうすれば望みをかなえられるよ。
　自分の財産からチュウロン（益を得る）。それを捨ててしまえばね。
　神仏たちの純粋な姿を見てチュウロン（益を得る）。慎ましい気持ちが保てるよ。
　修行で得られる智慧からチュウロン（益を得る）。イダムの瞑想を続ければね。
　満たされない気持ちを持ち続けることはチュウロン（益を得る）。輪廻の世界から抜け出せるからね。
　ブッダを知ることはチュウロン（益を得る）。心の本質がわかるからね。」