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「満腹時等の修行について」

◎満腹時等の修行について

 はい。じゃあ今日は一応これで終わりますが、最後にもし質問があったら聞いて終わりにしましょう。

(T)いっぱい食べたとき、ムドラーやるのはだめだって書いてあるじゃないですか? その理由って何かあるんですか?

 いや、それはね、単純な生理学的な理由で――これはムドラーに限らずね、一般的にヨーガとかでは、アーサナにしろ呼吸法にしろ、食後とか風呂上りとかにはやめた方がいいっていってる。何でかっていうと――まあすごく簡単に言うとね、エネルギーや神経が消化に集中してるからです。それはつまりどっちにとっても良くない。どっちにとってもっていうのは、そのときに修行をやっちゃうと、消化の方にエネルギーがいかなくなるっていうのもあるし、逆の言い方すると消化の方にエネルギー使っちゃってるから、ちょっと修行があんまり進まないっていうのもあるし、あと神経のバランスが狂うともいわれてる。
 ただそれは初心者向けの話です。だからこれもさっき言ったけど、どこからが初心者なんだっていうのは難しい問題なんだけど、慣れてきたら全然大丈夫です。
 で、いつも言うように、慣れてきたら――逆にですよ、やらないよりやった方がいい。食後であろうと。
 前も言ったかもしれないけど、わたし若いころね、めいっぱい食って、直後にムドラー数時間やってました(笑)。本当はね、これはあまりいいことじゃないんで、真似しちゃだめだけど。最初は空腹時にやってるんです。空腹時にやってるんだけど、どうしてもお腹すいてきちゃって(笑)、「やっぱり食わない方がいいのかな」とか思ってるんだけど、どうしてもちょっと何か、「食わなきゃやってらんねー」と思って、食って(笑)、「よし! 食ったんだから頑張るぞ!」って感じでそのときはやってたんだけど、本当は食わない方がいいね(笑)。
 ただし、例えば現代みたいに忙しい場合ね。時間があまりないと。で、食事の後の時間はあるんだけど、「でも食事の後にやっちゃいけないっていうからな、どうしよう……」――こういう場合はやって構わない、全然。
 あるいはちょっと食事の後にやる気が出たと。「でも食事の後だからやらない方がいいかな?」――じゃなくて、別にやりたいんだったら、やって全く構わないです。
 でももし自分で選べるんだったら、当然、空腹時の方がいいです。

◎観想の仕方について

 はい。他に何かありますか?
 
(W)本当に初心者なので、初歩的な質問なんですけど、今日みたいな瞑想でイメージするときに、眼の前にそういう像をイメージして、通っていく道とか、エネルギーをとかを想像した方がいいのか、あるいは自分の中に通ってるものを……

 もちろん自分の中です。これをこう前にイメージするんじゃないよ。
 つまりさ、われわれは無意識に自分の知ってるで、自分のことをイメージしてるでしょ? 例えばどういうことかっていうと、物を食べるよね? そうすると、ゴクンッとしたときに何か通る感覚がある。そのときに当然――歯で噛んでね、ある程度柔らかくしたものがここを動いてるな、とかね。あるいは水をゴクンと飲んだときに、「あ、水がここを通ってるな」とかね。あるいは心臓がちょっと苦しいときに、全然見てないんだけど、あるいは自分で切り開いて見たことなんかないんだけど、教わってるから、心臓の形をイメージして、それがちょっとこう、「早く波打ってるのかな?」とかイメージするよね? それと同じ感覚でやるんだね。あるいは、例えば頭がズキズキするときに、血管の流れをズキッズキッてイメージするかもしれない。あるいは歯が痛いときに、歯の奥の方で細菌がグワーッて広がってるのをイメージするかもしれない(笑)。いろいろあるよね? それと同じような感覚です。同じような感覚で、実際に自分の中でエネルギーがガーッて上がってるんだ、というイメージですね。

(W)はい。ありがとうございました。

 はい。では終わりにしましょう。

(一同)ありがとうございました。

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