ハリダース・タクル(3)
◎チャンドプルにて
この出来事の後に、ハリダースはベーナポールを去り、チャンドプルに行きました。
チャンドプルで彼は、ヒラニヤとゴーヴァルダナのグルであるバララーマ・アーチャーリヤから托鉢を受け、ハリの御名を唱えながらぶらぶらと歩ていました。
あるときバララーマ・アーチャーリヤは、彼をヒラニヤとゴーヴァルダナの宮廷に連れて行きました。
そのときそこではハリの御名の重要性に関する議論が行われており、あるパンディットがこう言いました。
「ハリの御名は罪を滅ぼし、ムクティ(解脱)を与えます。」
ハリダースはすぐにこう言いました。
「罪の浄化とムクティは、ハリの御名の副次的な果報です。
第一の果報は、クリシュナ・プレーマ(クリシュナへの純粋な愛)の獲得なのです。」
そのとき、自分の学識に慢心を持っているブラーフマナのゴーパール・チャクラヴァルティもこの集まりの中にいました。彼が批判を始め、ジャパに対してのさまざまな不愉快で否定的なことを言うと、そこに居合わせた人々は騒ぎ始めました。
しかしハリダースは彼らをなだめると、こう言いました。
「ゴーパール・チャクラヴァルティを非難するのは正しくありません。
彼には、ハリの御名、あるいはナーマ・ジャパの真の重要性は、議論や推論によって理解することはできない、ということがわからないのです。
それを理解することができるのは、信と献身をもってハリナーマ・ジャパを行なう人だけです。
彼がこれを理解することができるように、わたしは主に祈ります。」
このようにハリダースはゴーパールの批判を聞き流しましたが、主は彼を罰しました。
ゴーパールは、それから三日のうちに、ハンセン病で死んだのでした。
ゴーヴァルダナはハリダースに感銘を受け、彼のために庵を建て、ハリダースはそこで暮らし始めました。
ゴーヴァルダナの息子のラグナートは、勉強をしにバララーマの家によく行っていました。彼はそこでハリダースと出会ったのでした。
彼は、ハリダースの主への明け渡し、苦行、信仰に感動し、さまざまな方法で彼に奉仕をし始めました。
その奉仕の果報により、彼は後にマハープラブ(チャイタニヤ)の慈悲を獲得し、彼の傑出した友の一人となったのでした。
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