パトゥル・リンポチェの生涯と教え(110)
◎パトゥルのヨーガ修行
人里離れた場所で、パトゥルはロンチェン・ニンティクの系統に則ってヨーガ修行をしていた。二十一の修行をする前に、パトゥルは全裸になり、ある特定のヨーガのポーズをとって、壺の呼吸法などで息を止めた。プラーナを中央管にとどめながら、最終的には、一回の保息でマンジュシュリー・ナーマ・サンギーティの長いバージョンを三回唱えることができるようになった。
パトゥルはときどき、修行中にいびきをかいたり、うとうとしていたこともあった。
あるとき、ハッとして起きて、こう言った。
「わたしの修行には隙があった! 注意が散漫になってしまっていた!」
そう言うと、ちょうど読むのを止めていた場所から読誦を始め、修行を再開したのだった。
あるとき、弟子のケンポ・クンペルが読誦の修行をしているとき、パトゥルは偶然その近くで寝ていた。ケンポが、ある一節を飛ばしたり、間違えて言葉を暗記していたりなどして、ほんのわずかな読み間違いをしていると、パトゥルは眠りから飛び起きて、彼の誤りを正したのだった!
パトゥルは眠っているように見えて、実は覚醒の意識の中で安らいでいたのだ。その境地で眠っていたのだった――完全に目覚め、広大で、光り輝く、思考を超えた”クリアーライト”の中で。