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スワミ・プレーマーナンダの最期

 六月二十七日、土曜日にコルカタに到着すると、一行はドクター・ビピン・ビハリ・ゴーシュを呼んだ。ビピン・バーブはバブラム・マハラジ(スワミ・プレーマーナンダ)を診断すると、こう言った。

「彼はもうあまり長くありません。わたしが診ることは何もありません。」

 ラージャ・マハラジ(スワミ・ブラフマーナンダ)はバブラム・マハラジの健康状態について考えると、じっとしていられなかった。幾人かの信者が彼に礼拝をしに来たとき、彼はこう仰った。

「今やナーラーヤナが医者であり、ガンガーの水が薬だ。わたしが引退できるように、バブラムダを僧院長にしようと教育していたが、もうそれは無理だ。」

 バブラム・マハラジはバス・ヴィラに連れて行かれ、二階の大きなホールにかくまわれた。マハラジ(ブラフマーナンダ)はその西側の隣の部屋におられ、ハリ・マハラジ(スワミ・トゥリヤーナンダ)は一階の部屋の中におられた。

 ハリ・マハラジはプリで多くの外科手術を受けており、あちこち移動することがおできにならなかった。しかしバブラム・マハラジは彼に会いたがっておられた。ハリ・マハラジは椅子に座ったまま上階に運ばれた。椅子から降りられると、彼はバブラム・マハラジの側にお掛けになり、ご自分で兄弟の手を撫で始められた。どちらも何もお話しにならなかった。バブラム・マハラジはよく、「パラマハンサは会話を通じて感情を表現されない。彼らにとってそうすることは必要ではないのだ」と仰っておられた。他の者には彼らの無言の会話を理解することができなかった。彼らの瞳から涙のしずくが二、三滴こぼれたのを、皆は気付いていた。

 次の日、バブラム・マハラジはマトからブラフマチャーリ・ジュニャーナをお呼びになられた。彼が到着したとき、バブラム・マハラジはとても弱弱しい声で仰った。

「ジュニャーナ、仕事を頼んでもいいかね?」

 ジュニャーナは耳をバブラム・マハラジの口元に近づけ、こう言った。

「何の仕事でしょうか? どうぞわたしにお命じください。」

 バブラム・マハラジはこうおっしゃった。

「マトで信者(バクタ)たちに奉仕してくれ。」

 ジュニャーナは答えた。

「ええ、かしこまりました。」

 バブラム・マハラジはさらに仰った。

「信者たちがどんなかたちであれ軽視されないように、監視していておくれ。」

 これらが、彼の口から出た最後の言葉だった。

 一九一八年、七月三〇日火曜日、バブラム・マハラジは朝から非常に落ち着かない様子で、痛みにのた打ち回っておられた。ラージャ・マハラジは聖典を読むために折り畳み式ベッドを彼の側に置かれ、それからそわそわと行ったり来たりし始められた。このようにして数時間が過ぎた。
 マハラジはシュリー・ラーマクリシュナのお写真を持ってきてバブラム・マハラジのお側に腰掛け、こう仰った。

「バブラムダ、タクルをごらん。」

 正午になった。ネパールとサティシュはバブラム・マハラジの足元に座った。サティシュはガンガーの水の滴を彼のお口に入れた。マハラジは時々口に布をくわえながらおいでになり、バブラム・マハラジをごらんになったあと、涙を流しながら去って行かれた。彼は自分自身に仰っておられた。

「わたしはもう肉体を保つことができない。スワミジ(スワミ・ヴィヴェーカーナンダ)は去った。そしてわたしはバブラムダに会うことで肉体を保っていた。もうこれ以上無理だ。」

 そして彼はバブラム・マハラジの耳元で、大声で仰った。

「バブラムダ! バブラムダ! タクルを思い出せるか?」

 バブラム・マハラジは目をお開きになり、壁に掛けてあるタクルの油絵をごらんになった。

 次の瞬間、彼の眼は閉じられ、瞳の端から愛の涙が落ちた。そして彼はマハーサマーディにお入りになったのだった。午後四時一四分のことだった。

 マハラジはヒンディー語の一節を繰り返された。

「Chalo musafir――おお、旅人よ、去ってしまったのか。わたし達が出発するのはまだ遠い。」

 彼はそれから兄弟弟子の寝床のそばから立ち上がり、自分の部屋に行って子供のようにむせび泣かれた。平穏の化身であられたシャラト・マハラジ(スワミ・サーラダーナンダ)は、自身の手で彼を抱きしめられ、自身のチャダルで彼の眼をぬぐわれた。

 その知らせがウドボーダンにおられるホーリーマザーに届くと、その日の朝からずっと、マザーはバブラムを思い出して悲しみに打ちひしがれた。彼女は女性の信者にひっきりなしに彼についてお話になった。彼女は仰った。

「バブラムはわたしのハートの一部でした。強さ、信仰心、そしてマトの理知――これらすべてのものがわたしのバブラムの中に現われており、ガンガーの岸を明るく照らしながら、あちこち動き回っていたわ。」

 オーム、シャーム!

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