善き人々と共に
原始仏典
デーヴァター・サンユッタ
第四章 サントゥッラパ群神
第一節 善き人々と共に
このように私は聞いた。
あるとき世尊は、サーヴァッティーのジェータ林にあるアナータピンディカ長者の園に住しておられた。
そのとき多くのサントゥッラパ群神たちは、夜が更けてから、容色麗しく、ジェータ林をあまねく照らして、世尊のもとに赴いた。近づいてから、世尊に挨拶して、傍らに立った。
傍らに立ったある神は、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々とだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知って、人は、より善きものとなる。より悪しきものとはならない。」
次に、他のある神が、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知るならば、智慧が得られる。そうでなければ智慧は得られない。」
次に、他のある神が、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知ったなら、憂いのさなかにあっても憂えない。」
次に、他のある神が、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知ったなら、親族の間で輝く。」
次に、他のある神が、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知ったなら、人は幸福に向かう。」
次に、他のある神が、世尊のもとで次の詩を唱えた。
「ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知ったなら、人はいつまでも安立するであろう。」
次に、ある神が、世尊に向かって次のように言った。
「尊師よ、見事に唱えられたのは、誰の詩でしょうか?」
世尊はお答えになった。
「あなた方はすべて、見事に詩を唱えた。しかし、私の詩にも耳を傾けよ。
ただ善き人々と共におれ。
ただ善き人々ととだけ交われ。
善き人々の正しいダルマを知ったなら、すべての苦しみから解脱する。」
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