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「第二日目 思ったらすぐに」

(43)第二日目 思ったらすぐに

☆主要登場人物

▽パーンドゥ軍
◎クリシュナ・・・パーンドゥ兄弟のいとこ。実は至高者の化身。
◎ドルパダ・・・パンチャーラの王。ドラウパディーの父。ドローナに敵対心を抱く。
◎ドリシュタデュムナ・・・ドルパダ王の息子。ドラウパディーの兄。ドルパダの祈りにより、ドローナを殺すために生まれてきた。
◎サーティヤキ・・・クリシュナと同じヤドゥ族の偉大な戦士。
◎ビーマ・・・パーンドゥ兄弟の次男。クンティー妃と風神ヴァーユの子。非常に強い。
◎アビマンニュ・・・アルジュナと、クリシュナの妹スバドラーとの息子
◎アルジュナ・・・パーンドゥ兄弟の三男。クンティー妃とインドラ神の子。弓、武術の達人。

▽クル軍
◎ドゥルヨーダナ・・・クル兄弟の長男。パーンドゥ兄弟に強い憎しみを抱く。
◎ビーシュマ・・・ガンガー女神と、クル兄弟・パーンドゥ兄弟の曽祖父であるシャーンタヌ王の子。一族の長老的存在。
◎ドローナ・・・クル兄弟とパーンドゥ兄弟の武術の師。

 第二日目も、ビーシュマ長老はクル軍の指揮官として、多くのパーンドゥ軍の兵士たちを殺傷していきました。

 アルジュナは、御者のクリシュナに言いました。
「このままでは、まもなくわが軍はビーシュマじい様に全滅させられてしまいます。ビーシュマじい様を倒さない限りは、われわれに勝ち目はありません。」

 これを聞いたクリシュナは、
「アルジュナ、そう思ったらすぐに実行だ。それ、行くぞ!」
と言うが早いか、ビーシュマに向かってまっすぐに、アルジュナを乗せた戦車を走らせました。

 兵士たちはビーシュマを護衛して、アルジュナとクリシュナを攻撃しました。アルジュナは平然として、多数を相手に戦い、いとも簡単に片付けてしまいました。そしてビーシュマとアルジュナの一騎打ちになりましたが、両者の力は拮抗しているので、なかなか勝負はつきません。

 また別の戦場では、ドローナとドリシュタデュムナの戦いが繰り広げられていました。ドリシュタデュムナは、父であるドリパダ王の祈りにより、ドローナを殺すために生まれてきた男なので、この二人は生まれついての宿敵なのです。
 ドローナの攻撃は強烈で、ドリシュタデュムナは重症を負いました。さらにドローナはドリシュタデュムナの戦車の御者を射殺したため、ドリシュタデュムナは戦車から降り、矛を持ってドローナに突進していきました。ドローナは矢を放ってその矛を叩き落しました。するとドリシュタデュムナは今度は剣を抜いて、ドローナに襲いかかります。しかしまたもやドローナの攻撃が勝ち、ドリシュタデュムナは負傷で動けなくなってしまいました。
 
 ドリシュタデュムナが窮地に陥っているのを見たビーマは、ドローナに対して矢を雨あられのように打ち、隙を見てドリシュタデュムナを自分の戦車に乗せて救出しました。

 これを見ていたドゥルヨーダナは、カリンガ隊をビーマに対して差し向けました。しかしビーマはまるで死神のように、カリンガ隊の兵士たちを次から次へとなぎ倒し、叩き伏せ、殺していきました。そのあまりのすさまじさに、敵も味方も震え上がりました。
 
 これを見て、ビーシュマがカリンガ隊の救援にやってきました。パーンドゥ軍も、サーティヤキ、アビマンニュ、その他の戦士たちが、ビーマの救援にやってきました。

 サーティヤキの矢がビーシュマの御者を射殺したので、馬が驚いて駆け出し、ビーシュマを戦場から遠く離れたところまで連れ去ってしまいました。敵の大元帥がいなくなったため、パーンドゥ軍が優勢となり、クル軍に猛攻撃を加えました。

 こうして、一日目とは逆に、この日はクル軍の方が多大な損害をこうむったのでした。

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