「私が見たアドブターナンダ」より抜粋「師ラーマクリシュナとの出会い」(3)
ある日、ラトゥは口を開いた。
「それを全部僕にください。僕が全部あそこにお届けします。
道は忘れてませんよ。何とかお寺にたどり着けます。」
こうしてその日、彼は一人でドッキネッショルに行ったのだった。
それは、1880年の春だった。
鹿のように早く、彼は6マイルの長い道のりを進んでいったのだが、早く到着することはできなかった。
なぜなら、彼は道のりを正確に覚えていなかったからである。
彼はくじけずに、道のりを人々に尋ね続け、寺院に到着したのは午前の11時だった。彼は師のために果物とお菓子を包んで持ってきた。
遠くから寺院の尖塔を見つけ、さらに少し近づいてシェーナイ(インドのオーボエ)や太鼓の音が聞こえてくると、彼の喜びには際限がなかった。
寺院の咲き乱れた花や蔓草のあずま屋を通っていると、彼は楽園にいるような気持ちになった。
そして、庭の道に立っているシュリー・ラーマクリシュナが目に入ると、この少年はもう感情を抑えることができなくなった。
彼は駆け出して……いや、というよりはひとっとびで、師のもとに行き、込み上げる帰依の思いで、その御足に礼拝したのだった。
長い間ひれ伏し、そしてその二人はいろいろな話をしながら、寺院へと向かっていった。
メインの寺院の神像の前で灯明が振られているのを見ると、ラトゥの頬に涙が伝った。
そこから、彼はヴィシュヌ寺院へと行った。
特にそこでのアーラティ(灯明を振る儀式)の光景に、彼は非常に感動して、自分を制御できなくなった。
その寺院には、「ラーマに勝利あれ、ラーマに勝利あれ(ジェイシュリーラーム)」の声がこだましていたのだった。
われわれはこれらを、この出来事を自らの目で目撃したラームラルから聞いた。