要約「スートラ・サムッチャヤ」(5)「菩薩に対する善と悪の大きさ」
◎菩薩に対する善と悪の大きさ
シュラッダーバラーダーナヴァターラームドラー(信力入印法門経)には、こう説かれている。
「三千大千世界にいるすべての衆生を杖で打ったり、刀剣で切りつけたり、すべての財産を奪うことよりも、たった一人の菩薩に対して軽蔑し、怒り、悪心や不愉快な心を生じさせることの方が、はるかにその罪は重い。
また、多くの小乗の解脱者の命を奪うことよりも、菩薩に対して軽蔑したり、怒ったり、悪口を言ったり、危険にさらしたりすることの方が、はるかにその罪は重い。
また、十万の世界のすべての衆生を暗闇の中に閉じ込めることよりも、菩薩に背を向け、菩薩に従順でなく、彼を見ようともしないことの方が、はるかにその罪は重い。
また、ある国のすべての人々を殺し、すべての財産を奪うことよりも、菩薩を非難することの方が、はるかにその罪は重い。」
また、ニヤターニヤトガティムドラーヴァターラ(入定不定印経)には、こう説かれている。
「たとえば十万の世界のすべての衆生の目が見えなくなったとして、彼らを救うために自分の目を布施することよりも、信を持って菩薩のお顔を見ることの方が、はるかにその功徳は大きい。
また、たとえば十万の世界のすべての衆生が牢獄に繋がれていたとして、彼らすべてを牢獄から解放することよりも、菩薩に信を持ち、そのお顔を見、讃嘆することの方が、はるかにその功徳は大きい。」