「神々を見る方法についての歌」
恵み深きマルパの御足に礼拝いたします!
あなたの系統に祝福があり、栄え広がりますよう。
天の聴聞者たちが
わたし、帰依者ミラレーパのもとに
神々の喜びの世界からやって来て、
限りなく広い空を満たします。
5つの段階の視覚を有する者を除いて、
彼らは他の者には見えません。
わたしにはすべてがはっきりと見えます。
ここに集えるすべての衆生のために
彼らは天の供物をささげもって、わたしに礼拝します。
天空は虹と光に満たされ、
天の花々が雨となって降り注ぎ、
すべての衆生は皆等しく妙なる調べを聴き、よい香を楽しみます。
神々の愛と幸福が、グルたちの哀れみによって、
すべての会衆にみなぎる。
グルたちの守護のもと、あなた方の中で、
わたしの教えに聞き入る神々やダーキニーたちを見たいと望む者は、
まずこの歌をお聴きなさい。
あなた方は、過去世で積んだカルマによって、
この世に生を受けたその日から、悪に浸って楽しんできた。
あなた方は善行に対する切なる思いを持ち合わせていない。
老いるまでその性癖は邪悪なまま
いつかきっと、自己の行為の果を受けることであろう。
もしも、わたしの罪は浄化されただろうか、と自らに問いかけるならば、
善への願望によって浄化されると知れ。
だが、悪行と知って行なう者たちは
恥という代償を払い、一口の飯を手に入れる。
己がどこに縛られているかを知らぬ者たちは
自らを「他を導く者」と偽り、
自他共に傷つける。
もしも、真摯に、苦しみを逃れたいと願うならば、
他の魂に対する悪意のすべてを回避する。
グルとイダムへの献身の中で
過去の罪を悔いる。
二度とその罪を犯さないと誓う。
それが、自己を浄化するための教えである。
罪人の多くは抜け目ない。
彼らは高貴な目標に欠け、移ろい変わりやすいもろもろの気晴らしごとを喜ぶ。
もしも、彼らに魂の衝動がないならば、
依然、けがれを負っている証拠である。
浄化を果たすべく絶えず奮闘し、
無智を追い払い、徳を積みなさい。
このように行なうなら、
聴聞に来た、法を愛する神々を見るだけでなく、
至高至聖の神を見るだろう。
ダルマカーヤを知覚することさえできるであろう。
それを見るとき、
サンサーラとニルヴァーナの真実の全貌をも見、
そのとき、カルマの働きは止むであろう。
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