クリシュナ物語の要約(4)「魔女プータナーの救済」
(4)「魔女プータナーの救済」
恐ろしい魔女のプータナーは、カンサの命を受け、村や町の幼い子供たちを、殺しまくりました。
そうしてやがて彼女は、ナンダが支配するゴークラの地へとやってきました。そして主に導かれるように、主が赤子として眠るナンダの家へとやってきたのです。
プータナーは美しい人間の女性に姿を変えていたので、村の人々はプータナーを見ても誰も疑いもせず、かえってその美しさに見とれていました。
主はその女性が魔女プータナーであると即座に見抜きましたが、眼を閉じて、じっと眠っていました。プータナーはその赤子を自らの膝の上に抱きかかえました。
そしてプータナーは、猛毒を塗った自らの乳房を、その赤子の口に含ませました。
すると主は、その乳房を両手で絞りながら、毒とともに彼女の生命力までも吸い取ってしまったのでした。
生命力を吸い取られたプータナーは、あまりの苦しみのために眼球は外に飛び出し、手足を大きくばたつかせて、叫び声をあげました。
そして本来の恐ろしい巨大な悪魔の姿を現わすと、髪の毛を振り乱して、大空に飛び立ちましたが、すぐに地上に落下し、そのまま息絶えたのでした。
恐ろしい魔女の叫び声と、地上に落下した轟音を聞いて、驚いた村人たちがそこにやってくると、恐ろしい魔女の巨大な死体がそこに転がり、その胸の上で、ヤショーダーの赤子が、少しもこわがらずに遊んでいるのを見ました。人々は非常に驚き、あわててかけよって、赤子をその悪魔から引き離したのでした。
ヴラジャの人々は、その魔女の死体を斧で切り刻み、薪とともに火をつけて燃やしました。
主に生命を吸い取られたときに、その魔女はすべての罪を消されたので、彼女の死体が燃やされるときに生じた煙は、とても素晴らしい芳香を放ちました。
その魔女は、多くの赤子の命を奪い、果ては主に毒を塗った乳房を吸わせて殺そうとしたにもかかわらず、かえって主によってその罪を浄化され、天界へと上って行ったのでした!
この魔女でさえそのような救済を得たならば、自分が最も大切だと思うものを敬虔な思いで主にささげる信者たちが、同様の聖なる境地に達することができることは、疑いのない事実であるといえるでしょう。
つづく
-
前の記事
クリシュナ物語の要約(3)「主の降誕」 -
次の記事
ささげる瞑想