運と徳
運勢、運命の流れというのは、当然、存在する。今日はこれこれの運が良いとか悪いとかね。
しかしよく考えてみよう。たとえば極端な話、もし全くものを盗まれるカルマがない人がここにいたとしたら、この人はどんなに盗まれる運気のときでも、盗まれることはありえない。
そこまで極端じゃなくてもね、とても徳が多くて、悪業が少ない人の場合ね、運が悪い時期というのは、その膨大な徳の中での、まあ、少し徳が発現しにくい時期という程度になるから、あまり問題はないんだね。
だから結局ね、運気が良いとか悪いとか考える前に、まずは徳を積むこと。つまり良いカルマを増やすこと事の方がね、大事なんだよ。
そして別の見方をするならば、運気が悪い時期というのは、必要なんだ。なぜなら、運気が悪いということはすなわち、悪いカルマを解放する時期ということだからね。そういう時期がなかったら、悪いカルマはどんどん我々の内側にたまってしまう。こういう人は、前述の例とは逆でね、運気とは関係なく常に苦しい人になる。
だから、今後、できるだけ悪いカルマを作らないということは当然として、過去につんでしまった悪業を浄化するために、運気が悪い時期というのは必要なんだよ。だから占いとかでね、悪い運勢が出てるのを見たら、喜べばいいよ。ああ、私のカルマが浄化される時期なんだな、ってね。そしていつかはね、悪い運気のときですら、何も悪業が出てこないほど、悪業を浄化しようと、そして徳を積もうと、考えるべきだね。
悪業の浄化によって苦しみは消える。
徳が満ちることによって幸福は増える。
そして最終的には、悟りを得て、良いことにも悪いことにも一切心を動かさない、完全なる真理と智慧と歓喜と愛の状態に至るべきだね。
その状態を目指して歩んでいる人にはね、占いとか、運気がどうとか、そういうのはあまり関係なくなるんだね。