誰のもの
わたしがブラフマチャーリー(見習い僧)としてアシュラムに入ったばかりのころ、わたしはおなかを壊して食事を食べに食堂に行くことができないことがあった。アシュラムの運営責任者であったスワミ・ガハナーナンダは、わたしの不在に気が付いた。彼はわたしの部屋に来て尋ねた。
「どうした? なぜ食事を食べに来ないのだ?」
わたしは返答した。
「おなかの調子が悪いのです。」
「僧院の医者に診てもらったのか?」
と彼は訊ねた。
わたしはそうしていないことを告げ、どうせ一日か二日でよくなるのだからわざわざ医者に診せる必要はないと言った。するとスワミ・ガハナーナンダはわたしの身体を指さして訊ねた。
「それは誰の身体なのだ?」
「わたしの身体です」
とわたしは答えた。
彼は言った。
「そうだ、それはお前の身体だった。しかしお前がラーマクリシュナ・ミッションに入団してからは、それはシュリー・ラーマクリシュナのものになったのだ。もはやお前にはそれを悪く扱ったり、軽視したりする権利はないのだ。」
彼の言葉はわたしに新しい光を投げかけた。その日から、わたしは自分の身体を粗末に扱ったり、軽く見たりするようなことがないように心がけてきた。と同時に、わたしはそれを過大評価してはならないことも理解した。もし必要があれば、より大切な理由のために、いつでもそれを犠牲にする用意をしていなければならないのだ。シュリー・ラーマクリシュナはそのような犠牲を喜んで受け入れてくださることをわたしは確信している。
――スワミ・バスカラーナンダ