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要約・ラーマクリシュナの生涯(32)「ラーマクリシュナとナレンドラの神聖な関係」③

◎ナレンドラとラカール

 ナレンドラは、ラーマクリシュナに出会う少し前に、ブラーフモー・サマージに入会していた。入会に際して、「無形で非二元の神を信じ、その神だけを礼拝して瞑想する」というブラーフモーの誓いに署名していた。ナレンドラは、ブラーフモー・サマージの規則や指導に従おうという気持ちはなかったが、この誓いだけは重要なものと考えていた。

 ラカールもまた、ラーマクリシュナに出会う少し前に、以前から親しかったナレンドラに勧められて、ブラーフモー・サマージの誓いに署名していた。しかしラーマクリシュナと出会い、その指導を受けるようになったラカールは、もともと彼の中にあった有形の神への愛が目覚め、ブラーフモー・サマージの誓いは無視して有形の神を礼拝するようになった。

 数か月後、ラーマクリシュナのもとに通うようになったナレンドラは、以前からの友人であるラカールもそこへ来ているのを見つけ、非常に喜んだ。しかししばらくすると、ラカールが、ラーマクリシュナと一緒に神々の像を礼拝しているのを見たのだった。ナレンドラはラカールをしかりつけ、言った。

「君のその偽善行為は罪だよ。ブラーフモー・サマージの誓いに署名しておきながら、寺院の神の像に礼拝するなんて。」

 おとなしいラカールは、このようにナレンドラに言われても反論せずに黙ったままだったが、神像への礼拝をやめるつもりはなかった。しかしまたナレンドラに叱られることを恐れて、ナレンドラを避けるようになった。

 事情を知ったラーマクリシュナは、ある日ナレンドラにやさしくこう言った。

「これ以上ラカールに言わないでおくれ。お前を見ておびえているのだ。あの子は今、形のある神を信じている。彼にどうすることができようか? ねえ、誰もが最初から無形の神を思うことなどできるかね?」

 ナレンドラは師の意向を受け入れ、ラカールを責めるのをやめ、ナレンドラとラカールは再び仲の良い法友となった。

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