要約・ラーマクリシュナの生涯(25)⑤
◎チャイタニヤのサンキールタンのヴィジョン
ラーマクリシュナがケシャブに初めて会ったのとちょうど同じ頃、ラーマクリシュナの中に、シュリー・チャイタニヤとその信者たちのキールタンのヴィジョンを見たいという願望がわき起こった。
するとしばらく後のあるとき、ラーマクリシュナが自分の部屋の外に立っていると、チャイタニヤと信者たちが神の御名を歌いながらパンチャヴァティーの方からやってきて、ドッキネッショル寺院の表門の方に進み、木々の背後に消えていくのを見た。
その信者の群衆のある者たちは自らを制御する自由を失い、ある者たちは至福の中で狂ったように踊り狂っていた。彼らすべてが、神への愛から生まれた霊的酩酊状態にあった。その群衆は巨大であったが、ラーマクリシュナはそのとき、そこにいた信者たちの中の二、三人の顔を目に焼き付けた。
後にラーマクリシュナのもとにやってきた信者たちの中にその同じ顔を見つけたとき、ラーマクリシュナは、彼らが前生においてチャイタニヤの仲間であったことをハッキリと知ったのだった。
◎約束された信者たちの到来と、フリドエの追放
約束された信者たちがラーマクリシュナのもとに来始めたのは、一八七九年頃からであるとされる。ただしヨギン(スワミ・ヨーガーナンダ)だけは、ドッキネッショル寺院のすぐ近くに住んでいたので、もっと早くから来ていたようである。
ナレンドラ(スワミ・ヴィヴェーカーナンダ)は一八八一年に来た。モトゥルの妻が亡くなったのも同じ年であった。
その約半年後、フリドエは、まだ幼かったモトゥルの孫娘の足を無神経に礼拝した。これはヒンドゥー教の伝統では不吉な行為であり、彼女の父親は娘に災いが来ることを恐れてたいそう腹を立て、フリドエを寺院の役職から解雇し、カーリー寺院から追放した。こうして、16歳の頃から約25年ほどに渡ってラーマクリシュナの侍者として仕える幸運を得ていたフリドエは、神の意思により突然、ラーマクリシュナのもとを去ることになったのだった。
-
前の記事
グル・バクティヨーガ(71)「グルの偉大な愛」 -
次の記事
サーダナーの指針の花輪(671~680)