yoga school kailas

要約・ラーマクリシュナの生涯(14)「バイラヴィー・ブラーフマニーの到来」

14 バイラヴィー・ブラーフマニーの到来

 
 カーリー聖堂の西、ガンガーに臨む広い場所に、様々な種類の花で満たされた花園があった。ゴダドルは当時毎日この花園で花を摘み、花輪を作って自らの手で神像を飾っていた。ある日、ゴダドルがいつものように花を摘んでいると、一艘の舟がガートについた。すると、バイラヴィー(シャクティー信奉者の中のある一派に属する女性のこと)の服装に身を包み、書物の束を手にした一人の美しい女性が上陸した。彼女は当時40歳近くだったといわれるが、誰の目にも、もっと若々しく美しく見えた。
 ゴダドルは自分の部屋に帰ると、フリドエに、あの婦人を連れてくるようにと頼んだ。フリドエは「あの婦人はこの辺の人ではありません。ここへ来るはずがありません」と答えたが、ゴダドルは、「私の名で呼んでくれ。そうすれば彼女はすぐに来るだろう」と言った。

 フリドエは、気の狂ったおじさん(ゴダドル)の言うことにはすべて従う他はないと分かっていたので、言われたとおりに、神の信者である自分の叔父が会ってくれと乞うている旨をバイラヴィーに告げた。すると驚いたことに、バイラヴィーはフリドエに何一つ尋ねることもなく、ためらわずに立ち上がって彼についてきた。

 バイラヴィーが部屋に入ってゴダドルを一目見たとき、彼女は喜びと驚きに圧倒され、うれし涙とともに言った。

「ああ、私の子供よ、あなたはここにいたのですね! 私はあなたがガンガーの岸辺のどこかに住んでいることを知っていて、本当に長いこと探していたのですよ。ようやく今、会うことができました。
 私はずっと前に、宇宙の母のお慈悲によって、私が三人の人にお会いしなければならないということを知ったのです。すでにそのうちの二人には東ベンガルで会いました。そして今日ここで、あなたにお会いしたのです。」

 ゴダドルはそこでバイラヴィーの傍らに座り、喜んで何もかもをその母親に打ち明ける子供のように、彼の比類のないヴィジョンの事、神のことを話すうちに外界の意識を失うこと、肉体の焼けるような感じ、不眠及びその他の奇妙な肉体の変化と、そのために彼がキチガイだと思われていることを話した。

 ゴダドルの言葉に聞き入りながら、バイラヴィーは母親のように、ときには興奮し、ときには歓喜しつつ、とろけるような愛情をもって、繰り返しこう言いながら彼を慰めた。

「誰があなたをキチガイだなどと言うのですか、我が子よ。狂気などではありません。あなたはマハーバーヴァの状態にあるので、そのためにこれらすべてのことが起こっているのです。凡庸な人々に、あなたの現在の境地を理解することなどできるものですか。無智なるが故に、彼らはそんなことを言うのです。同じ事がシュリー・ラーダーラーニーにも、偉大な主シュリー・チャイタニヤにも起こりました。このようなことは全部、信仰を説く聖典に記してあります。私はそれらの書物を持ってきました。それをあなたに読んで聞かせ、このような状態は過去に本当に神に呼びかけた人々の上に起こったし、また現代の同様の人々にも起こるものだということを照明しましょう。」

 先ほど初めて会ったばかりのゴダドルとバイラヴィー・ブラーフマニーが、なじみ深い親類同士のように話し合っているのを見て、フリドエはただ驚くばかりだった。

 やがてたいそう時が経ったことに気づいたゴダドルは、カーリー女神のプラサードをバイラヴィー・ブラーフマニーに朝食として進めた。彼女はそれらを食べた後、首にかけた自らのイシュタであるラグヴィール(ラーマ)の石の象徴に供物を供えるために、寺院の倉庫からもらいうけた米や粉などを、パンチャヴァティの下で調理し始めた。
 調理が終わると彼女は、ラグヴィールの前にそれらの食べ物や飲物を捧げた。そしてラグヴィールを思ううちに、たぐいまれなヴィジョンを見て深いサマーディに入った。目からはおびただしい涙が流れ落ち、全く外界の意識を失った。
 そのときゴダドルが法悦の状態でそこにやってきて、バイラヴィー・ブラーフマニーがラグヴィールに捧げた食物を食べ始めた。
 しばらくして通常意識に戻って来たブラーフマニーは、バーヴァ・サマーディに入っているゴダドルの、その魅力ある振る舞いを見た。それが彼女の見たヴィジョンに符合するのを見て、彼女は総毛が逆立つ至福と驚きに満たされた。
 通常意識を取り戻したゴダドルは、自分のしたことに不安を感じ、

「母よ、私はなぜ、自分を制御することができなくなって、こんなことをしてしまうのでしょうか?」

と言った。するとブラーフマニーは母親のように、こう言って彼を安心させた。

「よくやりました、私の子供よ。これをしたのはあなたではなく、あなたの内においでのお方が、いつもなさるようにそれをなさったのです。私が瞑想中に見たものから、私は誰がそれをなさったかということについてはある結論を得ました。そして私は、自分がもはや儀式的礼拝をおこなう必要がなくなったことを感じるのです。私の礼拝はついに、その目的を遂げました。」

 そう言うとブラーフマニーは、少しのためらいもなく、ゴダドルが食べた残りの食物を、神のプラサードとして食べた。そしてゴダドルの中にラグヴィールの不滅の生きたヴィジョンを見て、長い間愛を込めて礼拝してきたラグヴィールの石の象徴を、霊的な半意識状態の中で愛と歓喜の涙を流しながら、ガンガーの流れの底へと丁重に沈めた。

 その後ブラーフマニーは、カーリー寺院の北方にあるデーヴァマンダルガートに住み、毎日ゴダドルに会いに来ては、霊的な会話を交わした。そして毎日ゴダドルを観察するうちに、ブラーフマニーは、ゴダドルが普通の修行者ではないこと、あのチャイタニヤとニティヤーナンダが、人々を救うためにゴダドルの肉体と心に宿っているのだという深い確信を得たのだった。 

share

  • Twitterにシェアする
  • Facebookにシェアする
  • Lineにシェアする