至福へいたる3×8段階の道
①三つの修行の動機
1.徳を積み、悪業を滅し、現世で幸福な人生を送るために修行する。
来世は少なくとも地獄・動物・餓鬼の三悪道を避け、天の神に生まれたり、再び人間に生まれて修行することを目指す。
2.解脱し、もう輪廻には生まれず、ニルヴァーナにいたることを目指す。
3.全ての衆生を解脱させるために、自分が解脱しても輪廻から離れず、衆生を救うための広大な智慧や力を身につけていく道。
この三つのうち、もちろん、3番目が最高です。しかしまずは1番目から、つまり現世的な幸福を求めて修行の道に入っても、もちろん問題はありません。また、いきなり最初から三番目の動機をもっても問題ありません。
②三つの布施
1.財産の布施や、奉仕の修行など(執着の放棄)。
2.苦しんでいる人に安らぎを与える(怒りの放棄、慈悲の実践)。
3.真理の法を伝える。人に正しい修行をさせる(迷妄の放棄)。
③三つの戒
1.身体の行ないにおける戒を守る(不殺生・非暴力、不盗、不邪淫など) 。
2.言葉における戒を守る(不妄語、不綺語、不悪口、不両舌など)。
3.心における戒を守る(貪らない、怒らない、間違った見解を持たない、など)。
④三つの忍耐
1.自らが過去になした悪業の清算として当然のごとく生ずるさまざまな苦しみに耐える。
2.自己の解脱や、他者の救済を求めて修行に励んだ場合、それらの大目的を達成するための試練としての多くの苦難が生じる。それらに耐える。
3.真理のリアリティが明かされるときの恐怖に耐える。
⑤三つの精進
1.自己の課題に対して立ち向かおうという勇猛な志と決意を持つ。
2.今この瞬間瞬間に集中し続け、全力の努力をし続ける。
3.精進の過程でさまざまな障害や苦難が生じても、よりいっそう自己を奮い立たせ、立ち向かう。
⑥三つの正念
1.正しい教えを繰り返し記憶し、心に植えつける。
2.自己や世界に対して正確な観察を行なう。
3.今この瞬間に覚醒し続ける。
⑦三つの瞑想
1.自己という幻影を放棄し、真我、寂静、空、ニルヴァーナに至る。
2.衆生への慈悲を瞑想し、自己と他者の非区別を悟り、広大無辺な心を作る。
3.完全なる仏陀や神を瞑想し、最高完全な世界へアクセスする。
⑧三つの智慧
1.この世は苦であり、ニルヴァーナこそ安楽であることを悟る。
2.この世もニルヴァーナも同じであり、全ては空であることを悟る。
3.全ては仏陀や神の愛であり、至福であることを悟る。