真っ裸
人は真っ裸で生まれ、すべてを置いてこの世を去る。
この世に私のものは一つもない。
だから何にも執着しないほうが良い。
表面上、何かを得ているような錯覚に陥ったとき、人はそれを失うことを恐れる。
死のときにすべてを失うのに、あくなき欲望を追求する。
そしてそれら欲望・執着の裏側にある排斥・嫌悪により、人は実体のない「敵」を作り、自らを苦しめる。
希少な確率でちょっと出会ったに過ぎない、そして死とともにいつ再び会えるかわからない、この世の友。
彼らを憎むのも、愛着するのも、ばかばかしいことだ。
すぐに永遠の別れがやってくる相手に愛着する意味があるのだろうか。
すぐに永遠の別れがやってくる相手を憎む意味があるのだろうか。
この短い人生の中で、愛着なき慈愛をともに持つことが、真に正しいことだ。
それが我々の「出会い」に最もふさわしい。
ともに自己と他者の心・魂の向上を願い、そのために生き、死が来たらとらわれを残さずに、行くべきところに行こう。
縁があったらまたどこかの生で会おう。
願わくばいつか皆で、ブッダの世界で会おう。
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