理念のために生きて死ぬのだ
……闘わねばならない。闘争の準備をしなければならない。一つの『理念』以外には、結婚や子供といった足手まといになる過度の執着はない。そしてその理念のために生きて死ぬのだ。私はこの種の人間だ。ヴェーダーンタの理念を掲げ、『行動のための戦闘準備』をしている。君もイザベルも気質を同じくする者だ。
だが言いにくいことだが、「君は人生を台無しにしている」と言わざるを得ない。理想を掲げて戦闘準備をし、生涯を捧げるか、それとも満ち足りて現実的になり、理想を低くして結婚し、『幸福な生活』を送るかのどちらかなのだ。『ボーガ』か『ヨーガ』か、すなわち人生を楽しむか、放棄してヨーギーになるかのどちらかだ。『両方を選ぶということはできない』。今決めるしかないのだ。急いで選択しなさい。
……今こそ誠実に、心底永遠に『戦闘準備をする』決心をなさい。そして生涯それを神としなさい。
……飲食や着飾ったりのばかばかしい社会に、生涯をかけることはない。特にメアリー、君にとってはね。
君が素晴らしい頭脳と能力をさび付かせていることに弁解の余地はない。大志を抱かねばならない。
……君が結婚して幸せだと聞くならば、大喜びするだろう。君が幸せである限り。
さもなければ、君の偉業を聞きたいものだ。
(ヴィヴェーカーナンダがイギリス人の弟子のメアリー・ヘイルにあてた手紙より抜粋)