役割
ギリシュは、ラーマクリシュナの出家弟子たちよりもずっと年上であった。唯一ギリシュよりも年上だったのは、スワミ・アドワイターナンダだけであった。しかしギリシュは、出家弟子たちが若輩者であったにもかかわらず、彼らを深く尊敬していた。ギリシュは、グルと同じようにグルの息子たちも愛していたのだ。
そして出家弟子たちもまた、ギリシュを非常に敬愛していた。彼らは、師がギリシュを愛しておられ、そして師によってギリシュの人生が変革したのを見てきたので、ギリシュを高く評価していた。だから、ギリシュと出家弟子たちは、素晴らしい兄弟のような関係を持っていた。それは彼らが交流している場面を見れば明らかである。
出家弟子たちは、ときどきギリシュをこのようにからかっていた。
「あなたは自分の欲望に駆り立てられて、劇のシナリオを書いたり、役者をやっておられるのに、『わたしは師から世界の堕落した人々を救う使命を与えられている』と言い張っておられる。そんなことを言って、恥ずかしくないのですか?」
しかし、ギリシュは正々堂々とこう言い返すのだった。
「おいおい、兄弟、待ってくれよ! おれは次にシュリー・ラーマクリシュナにお会いしたら、こう言うつもりでいるんだ。『もう悪党の役はごめんです』ってな。次回は君たち出家弟子たちに悪党を演じてもらおうかな。おれは次回はかっこいい役をやるよ。」
ギリシュは心から信じていたのだった。師が神のドラマの中でさまざまな役割を担わせるために、さまざまなタイプのバクタをこの世に連れてきたということを。
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