勉強会講話より「解説『バクティヨーガ・サーダナー』」第二回(6)
はい。次は「恋愛の歌を歌う」。まああるいは、「低俗なダンス」、「低俗な音楽」とかも同じようもんですけども――当然これも分かりますよね。
まず恋愛の歌に関しては――当然さ、神の歌がとてもバクティにとってプラスになるっていうのが分かるように、歌っていうのは、すごくわれわれの心情っていうかな、心を揺さぶり、心にそのデータとして入ってくるわけだね。だからその、神の歌に心を動かされ、心がとても、なんていうかな、まあいい状態になると。
あの、歌の修行っていうのはさ、もちろん皆さんにとても勧めるわけですけども、あの、ラーマクリシュナとかも言ってますけども、例えばなんていうかな――まあわたしもそうだしみんなもそうだと思うけど、こういうみんなで歌を歌ったりしてね、すごく感動するときあるよね。感動して涙が出たり、あるいは心がとても震えるときもある。全くそうならないときもあるよね。うん。で、これはまさにおまかせなんですね。その、感動するときはいいけど、もちろん。その、感動しないときとか、涙が出ないときとかが悪いわけじゃない。それはまあ、どういうときにどういうムードがやってくるかはおまかせであって。で、あの、つまりその、自分があまりそのような感動が出てこなかったとしても、あるいはあまりその、心が冷静であったとしても、当然この歌っていうのは非常にわれわれの心を変えています、内側で。
やっぱり、歌って力が強いんですね。あの、なんとなくあまりこう考えないで、ただこう、なんていうかな、加行みたいな感じでね、定期的に歌ってたとしても、だいぶわれわれの心は改造されていきます。だからそれだけ力がある。だから逆にいうと、恋愛の歌もそうだってことです。だから恋愛の歌も、例えば――まあ恋愛の歌っていうか、現代のポップスとかだいたい恋愛ですよね。で、それを、例えばそういうのが好きな人がいて、「いや、別におれは、恋愛とかあるいは現世的なことに興味がない」と。「興味はないけど、ただこの歌手の歌が好きだから歌ってるだけだから大丈夫なんだ」と思っていたとしても、さっきとは逆で、気付かぬうちに、その歌詞が心を変えているんです。だからこれは非常に危険なんだね。だからもちろん、まあ恋愛の歌は聴かないと。あるいは歌わないと。あるいはまあ、その、昔聴いたね、昔好きだった歌とかをよく心の中でリピートしたくなることもあるかもしれないけども、それもできるだけやめた方がいいね。
はい、「低俗なダンス」、「低俗な音楽」――はい、これもさ、もちろんバクティにおける一つの修行としてね、当然音楽があって、ダンスもあるんですね。ダンスは修行ってわけじゃないんだけど、まあよくチャイタニヤとかは、一晩中ね、何日間も歌い踊ってたっていうけども――まあつまり、バクティの気持ちが高揚してね、神への愛によって神を歌い、そして自然なかたちでこう神への踊りを供養すると。まあこれは素晴らしいことですね。そうじゃなくて、単純にその、神性がない、つまり神の、神との関係が全くない、ただの、なんていうか現世的なね、かっこいいだけの踊りであるとか、まああるいは、まあものによっては、ちょっとこう、なんていうかな、性欲を刺激するような踊りであるとか、いろいろあるよね。
あるいはもちろん、そういう低俗なわれわれの煩悩を歌ったような歌とか――あるいは音楽って非常に難しいんだけどさ、つまりその、音楽っていうのはさ、もちろん第一は詩が重要ですよね。さっきから言っている、言葉によってわれわれの意識が変えられるから。でもその、当然そのメロディとかあるいはリズムとかも、当然関係があるんだね。
ただこれはね、非常に分析が難しいんです。何が良くて何が悪いかっていうのは、なかなか一概には言えないところがある。しかしまあ、明らかにあるね。明らかにあるっていうのは、つまりその、例えば、流行ってるけど、修行的には意識が下がるようなメロディ。当然こういうのはあるよね。そういう曲とかね。暗い曲だったりとか――ただわたしは、あまりここで言えないところがある。言えないところがあるっていうのは――わたしなりにいろいろあります。いろいろあるっていうのは、ちょっとこの音楽を聴くと気が下がる、とかね。あるいは、この音楽を聴くとちょっとこう、心があまり良くなくなるとかあるんだけど、それってさ、好みもあるじゃないですか(笑)。だから一般論としてなかなか言いにくいんだね。例えば一個だけ言うとさ、例えばさ、なんだっけ。ちょっと、最近じゃないけど、ちょっと前に流行ってたさ、ヒップホップ? ヒップホップかな? あの、「YO!」とかいうやつあるじゃない(笑)。あれ駄目だね(笑)。あとあの、なんか歌っていうよりさ、なんか語ってるような歌あるじゃん。なんていうんだっけあれ? なんかこう……。
(T)ラップです。
ん? あ、ラップか。ラップとかもなんかちょっとなんか、なんかどよーんとしてくる(笑)。単に好みかもしれないけど(笑)。うん。これは例えばですけどね。で、まあ現存のやつでは、ちょっとジャンルで言うのは難しいんですけども、あの、クラシック音楽。あれはまあいいのが多いですね。ただクラシックもわたし詳しくないから、当然クラシックっていうジャンルの中で、もちろん悪いのもあるかもしれないけども――クラシック音楽っていうのは、ジャンルとしてはいいのが多いと思うね。
なかなか難しいっていうか、わたし自体がそんなに音楽詳しくないので、あんまりこう分析ができないんですけども。ただまあ流行ってるとか、あるいはその好みだとかいって、ちょっとこう実際にはわれわれのエネルギー的に良くない音楽っていうのはたくさんあると思う。まあこの辺はちょっとまだ分析が難しいですけどね。でもまあ、自分なりにそれはもしそう感じるんだったら、そういう音楽はもちろん聴かない方がいいね。まあ聴かないっていうか、もちろん一切聴かないのがいいんだけどね。ここで出してるような神の音楽だけ聴いてりゃいいんだけど。だからそれ以外のものっていうのは一切聴かないと。
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