何と仰っても
ハリナート(ラーマクリシュナの直弟子で、後のスワミ・トゥリヤーナンダ)は、師ラーマクリシュナが神の化身であると信じていた。それ故、師が病気になったとき、彼は師が本当に病魔に打ち負かされたのだとは信じなかった。――一切は主のお遊びなのである。
ラーマクリシュナが咽頭癌にかかってコシポルで療養していたある日、ハリナートは師に「お加減はいかがでございますか」と尋ねた。
ラーマクリシュナは答えた。
「ああ、非常に苦しいよ。何も食べることができないし、耐えられないほど、喉が焼け付くようなのだ。」
しかしハリナートは騙されはしなかった。彼は師が自分の信仰を確かめているのだということを見て取った。悟った者にとっては、幸福も不幸も常に同じなはずだからである。
ラーマクリシュナが不平を言えば言うほど、それは師が自分を試しているのだということが、ハリナートにはいっそうよく分かった。そしてハリナートは突然、叫んだ。
「師よ、あなたが何とおっしゃっても、私はあなたを無限の至福の大海とお見上げいたします!」
これを聞くとラーマクリシュナはほほえみ、『こいつめ、私を見破ったな!』とつぶやいた。