ヴァイラーギャ・マーラー(放棄の花輪)(19)
17.豚の話
かつてリシ・ナーラダは、一頭の豚を哀れんでこう言った。――
「一緒に天に至ろう、おお、友よ!
君は永遠に幸福を享受するだろう。
天上界の車を動かすこともできる。
天上界の宴に参加することもできる。
天上界の音楽や踊りを楽しむこともできる。
天上界の乙女たちが君に給仕してくれるだろう。」
豚は答えた。
「おお、敬愛するリシよ!
そこには新鮮なくず肉はあるのかい?」
リシは言った。
「そこにくず肉はないが?」
「それなら、行かない!」
と豚は答えた。
おお、無智な俗人たちよ!
この豚のようにふるまってはならないし、
このように言ってもいけない。――
「モークシャ(輪廻からの解放)が、私に何を与えうるのか?
ニルヴィカルパ・サマーディに入ることなど何の役に立つのか?
どうして自分自身の人格を滅したりなどするのか?
大きな石の塊のようにサマーディの中に留まることが何になるのか?
どんな能力や安楽をヨーガは我々に与えることができよう?
世間を放棄してサードゥのひどく貧しい生活を送ることが何の役に立つと?」
おお、無智な人間よ! 三つの世界の喜びを与える種は、
純粋な歓喜とブラフマンの大海のほんのひとしずくにすぎないのに!
この世は火の玉であり、苦悩に満ちている。
汝自身を知れ。そして、永遠の喜びを得るのだ。