yoga school kailas

ヨーガの基礎(11)

◎三つのバンダ

 はい。続いてムドラー。さっきから言っているムドラーっていうのがあります。ムドラーっていうのは呼吸法のさらにちょっと高度なやつですね。
 で、このムドラーもいろいろあるんですが、基本としてバンダっていうのがあります。バンダね。このバンダができないとムドラー自体が成り立たないので、まずはちょっとバンダの練習から入ります。
 バンダというのは具体的には引き締めのことなんだけど、喉と肛門とお腹。この三ヶ所を引き締めます。で、このうち喉に関しては、これもかたち上、今日はあんまりやらないけども、こういう感じで顎をグッと胸に押し当てるようにして首を曲げて、グッと首を引き締める。これだけでいいので、まずは見よう見まねでも大丈夫です。
 次に肛門のバンダ。これは肛門の括約筋をグッと締めるだけでいいです。これも普段からわれわれがちょっと便を我慢するときとかにやってるから、これは誰でもできます。
 これはね、肛門のバンダはみなさん普段からやると良いです。普段から心がけてグッと肛門を締める。これはとても有益です。というのはね、ちょっと話はずれるけど、われわれの生命エネルギーって肛門から結構漏れるんです。で、それをグーッと締めることによって漏れを防いで、上にそのエネルギーを上げることができます。だから普段から肛門が緩まないように気をつけるっていうのはとても良いことですね。
 で、問題なのが三つ目のお腹のバンダ。このお腹のバンダは練習しないとなかなかできません。これは横隔膜をグッと引き上げることで、内臓をグーッと引き上げるんだね。で、一般の、ヨーガをあまりやってない人の場合、内臓が硬いのでできないんだね、最初は。だからそれがきれいにグーッと――まあ、痩せてる人の場合はもうあばらが見えるくらい、お腹にペコッて穴が開くくらいにグーッと引き上がんなきゃいけない。その練習をちょっとやってみましょう。
 これは立ってやった方がやりやすいので、立ってやりましょう。最初はできなくても全く構わないので、練習としてやってみます。姿勢としてはこういう姿勢がいいです。ちょっと前かがみになって膝に手を置きます。で、やることは、このまま完全に息を吐いて止めます。息を吐いて止めた状態でお腹をグーッとへこませてください。へこませて上に上げる感じです。
 はい。じゃあ各自でやってみてください。息を吐いて、息を止めて、止めたままグッーとお腹をへこませて上に引き上げます。で、息がちょっと苦しくなったら、いったんまた息を吸って、何回か繰り返してみてください。ちょっと自分でお腹触ったりして。十分にへこんでるか。

(お腹のバンダの実習中)

◎アグニサーラ・クリヤ

 これは本当に練習というか何回もやってるうちにできてくるので、何回もやるしかないですね。息を吐いて、止めて、へこまして、引き上げる感じ。もちろんこれは空腹時の方が練習しやすいけどね。 
 はい。じゃあいったん止めてください。これをもうちょっと応用として効率的に練習する方法に、アグサーラ・クリヤというのがあります。このアグニサーラ・クリヤ自体は、これも非常にわれわれの健康とか、あるいは精神を非常に良い状態にしてくれるのにもとても良い方法なので、日々やってみると良いと思います。
 同じようにこういう感じで、このまま息を完全に吐ききってお腹を空っぽにします。肺を空っぽにします。空っぽにした状態でお腹をグッとへこませます。へこませたらすぐにまた出します。またへこまして出す。へこまして出す。これを繰り返します。だからこう、ペコペコペコペコペコって何度もやるんだね。慣れないうちはゆっくりでいいです。でも慣れてきたらスピーディにペコペコとやります。
 はい。じゃあちょっとやってみましょう。息を吐いて前かがみになって完全に息を吐いて止めます。空っぽの状態のままペコっとへこませて、またガーッと出す。これを慣れてきたらスピーディにポンポンポンッと繰り返します。息が苦しくなったらいったん息を吸って、また吐いてもう一回繰り返します。これを何セットも繰り返して、まあ理想的には一日百回やると良いといわれています。百回打ちつけるわけですね。はい。じゃあ何回か繰り返しましょう。

(アグニサーラ・クリヤ実習中)

 はい。ではいったん終わりましょう。じゃあ、座ってください。
 できたら今のね、一番最初にやった、お腹をへこませるのはウディヤーナ・バンダといいます。ただへこませてグーってやるだけ。これはウディヤーナ・バンダ。で、ペコペコペコってやるやつはアグニサーラ・クリヤっていいます。まあ、名前は覚えなくてもいいですが、ぜひこれはまたみなさん練習してきてください(笑)。で、次回また講習会があったら、よりね――今日は本格的なムドラーまではいきませんが、本格的なムドラー行法にも入りますので、ぜひこのお腹のバンダね、できるように練習してきてください。

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