yoga school kailas

ヨーガの基礎(1)

ヨーガの基礎

2008年7月6日 ヨーガ講習会(京都)より

◎アーサナ――ヨーガの準備体操

 今回は、参加者の方々、今回こられた方々は、初めての方も、それからある程度ヨーガを熟練している方もいらっしゃるみたいですが、まあ全体的に基本的なところから今回は始めたいと思います。
 それからヨーガに何を求めているかとか、それから、どれぐらいのものを習いたいとかもみなさんそれぞれ違うと思いますので、いろいろ講義をはさみながら実習を進めていきますので、もし途中で何か聞きたいこととか質問とか疑問とかありましたら、全然かまいませんので、ざっくばらんにフリーに質問してください。
 はい。では少しだけ説明からいきますが、ここでやるヨーガは別に流派はありません。つまり、たとえばアシュタンガとか、あるいはパワーヨガであるとか、シヴァナンダとか、そういう流派は特にありません。あえて言うならば、ハタ・ヨーガ、あるいはクンダリニー・ヨーガ、あるいはラージャ・ヨーガというヨーガですね。これは流派の名前というよりは、その古典的なヨーガのスタイルの名前です。ですからわれわれが普段「ヨーガ」という言葉で知っているヨーガの原型みたいなものですね。
 その流れといいますか、大まかなプロセスとしましては、まずアーサナですね。で、プラーナヤーマ――呼吸法ですね。そして瞑想、という感じで進んでいきます。
 本来は、ヨーガのメインといいますか、本体は瞑想です。アーサナというのは、みなさんがよく知っている体操ですね。ヨーガの体操。で、本来は瞑想がメインで、この瞑想のヨーガをより効果を高める、あるいはその準備段階としてわれわれの瞑想に適さない部分をできるだけ補完していくものとして、呼吸法が生まれました。で、より呼吸法以前の問題として、まず肉体からしっかりと整備していこうというので、アーサナ(体操)が生まれています。
 だから、ヨーガというと今は大体このアーサナ中心になってしまっていますが、アーサナはあくまでも準備運動なんですね。だから別にアーサナを極める必要はない。極めたかったら極めてもいいけども、たとえば本当にグニャグニャにアクロバティックなアーサナができなくても、全く問題ありません。アーサナのねらいというのがあるので、それだけ押さえていれば。
 だからよくヨーガを始める人で、「体硬いんですけど大丈夫ですか?」っていう人がいますけども、結果的にやわらかくはなりますが、やわらかくするためにしているのではないので、全く大丈夫です。

◎呼吸法

 で、呼吸法ね。呼吸法は――これは後でまた言いますが、人間の精神状態と呼吸というのは密接な関係があります。それから、これはまたちょっと特殊な概念になってきますが、「プラーナ」ね。いわゆる中国でいうところの「気」ですね。気の流れというのがあります。このプラーナというのが、ヨーガにおける非常に重要な概念となります。
 つまり簡単にいうと、われわれの体には気の通り道――気道(ナーディ)といいますが、気の通り道がたくさんあります。中国でいうところの経絡ですね。つぼとかお灸とかで使う経絡です。この気の通り道を、きれいな気の流れが通っていてはじめて、われわれは健康でかつ精神状態もいい状態になります。瞑想するにも、気が非常に速やかに通っていて、かつきれいな状態になっていないと、なかなかいい瞑想ができない。つまりわれわれの精神活動というのは、この気の流れとかあるいは体の状態にかなり左右されてしまう。だからこの気の流れをうまくコントロールしましょうと。気の流れっていうのは、さっきいった呼吸とも非常に密接な関係がある。だから呼吸と気の流れと、それから精神状態っていうのはかなり相関関係にあるんですね。
 だから逆の言い方をすると、精神が非常に落ち着いていると、呼吸はゆったりとなります。で、気の流れもスムーズになります。で、これを逆手にとっているんですね。つまり、じゃあ呼吸をコントロールすればいいじゃないかと。なぜかというと、気の流れをコントロールするのは非常に難しい。精神のコントロールは難しい。でも呼吸は例えば――はい、四秒かけて吸って、十六秒止めましょうと。で、逆で八秒で吐いてください――とかあるわけですが、規則正しい決められたやり方で呼吸をやっていると、ヨーガがねらっている一番いい呼吸に誰でも近づけます。これはすごく物理的な問題だと。で、そういう操作をやることで、気の流れと精神状態をいい状態にもっていってしまおうと。これがこの呼吸法(プラーナーヤーマ)ですね。

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