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パドマサンバヴァの秘密の教え(38)「秘密のボーディチッタ」

◎秘密のボーディチッタ

 ツォギャルは師にこう尋ねた。

「秘密のボーディチッタの生起は、どのように訓練したらよいのでしょうか?」

 師はこうお説きになった。

「これには11のポイントがある。

①エッセンス

 秘密のボーディチッタの生起の真髄は、始まりより努力を超えているもの、すなわち思考と形容の制限を越えた不生の原初の純粋性を認識することである。

②定義

 それは、言葉によって示され得ることや、心によって考えられ得ることを超えたところにある故、すべての小乗には当然秘密である。

③分類

 分類すると二つのポジションがある。普遍的な純粋性を非瞑想であると主張することと、自然発生的に現存する本質を非瞑想として、原初から完全であると主張することである。あなたはこれに関してどんな偏りからも自由であるべきである。

④実行者の素質

 これに従事する者の素質としては、心は具体的な現象に疲弊しながらも、最も高い能力を持っていなくてはならない。
 ツォギャルよ、先に述べた訓練を有する者のみ、これが可能である。

⑤あなたがそれを受け取るべき相手

 あなたがそれを受け取るべき師は、ダルマカーヤのただ一つのマンダラを悟り、故に努力のない大楽の大いなる広がりの中に留まっている人であらねばならない。
 ツォギャルよ、これは大いなる完成の意味を悟った師のみが可能である。

⑥受けるための儀式

 受け取るための儀式は、完全なる叡智のためのイニシエーションである。

 あなたの汚れた日常の肉体的行為と同様に、純粋に有徳な行為も捨てなさい。身の行為を完成させた人のようであり続けなさい。

 あなたの汚れた不健全な言葉と同様に、経典や詞章を唱えることもやめなさい。そして口の聞けない人が砂糖を味わっているごとくに留まりなさい。

 あなたの汚れた輪廻的思考活動と同様に、純粋なニルヴァーナ的思考活動も止めなさい。そして心が引き裂かれてしまった人のようにありなさい。

 あなたの師の指示のみによって、あなたは言葉と形容を超えた、あなたの心の原初のダルマカーヤを認識するだろう。

 ツォギャルよ、私のこの口頭での指示は、理解すると同時に解放が起こる教えである。

⑦訓練がもたらすもの

 この訓練の目的は、輪廻を捨てなくてもそれ自体解放されているということであり、その後は煩わしい感情は自発的に叡智として完成されるということである。かくしてそれは、今現在の瞬間に悟りをもたらす本質をもっているのだ。

⑧訓練の理由

 この方法で訓練する理由というのは、あなたは偏見と偏愛から自由になる素質を備えなくてはならないからだ。

⑨訓練しないことによって起こる欠陥

 この道で自分自身を鍛えないことによる危険性は、哲学学派への偏執に陥り、本質的に束縛されるという欠陥を持つことになることだ。

 ツォギャルよ、もしあなたの訓練が宗派的偏執に陥ったならば、それは大いなる完成ではない。

⑩遵守すべきポイント

1.すべての現象の根源は、あなた自身のボーディチッタの完全なる叡智、すなわち不生の原初の純粋性の中にあるということを、唯一の生来の見解として見る。

2.このボーディチッタの完全なる叡智は、観察者や観察の対象としての構造概念は何も持っていないのだから、原初より覚醒しているとして見る。

3.覚醒しているこの状態の中で、どんなタイプの考えや観念が生じても、それは原初より空であり、それ自体が明快な覚醒であると認識する。

4.どんな外側のあらわれが生じても、それらが経験されたその瞬間から、それはどんなアイデンティティも持たず、故にそれはダルマターのあらわれ以外のものではないと認識する。

5.受容や拒否、肯定や否定から自由になり、物事と心の非二元性を本質的な大いなる祝福として経験する。

5.殊に、障害となるすべての感情と苦しみを、悟りへの聖なる道として経験する。

7.経験された瞬間、どんな実在性も持たない故に、輪廻は不生の原初からの純粋性であり、捨てられなくてもよいと認識する。

8.カーヤと智慧として経験されるすべては、あなたの心の中に存在する。故にブッダフッドは勝ち取られるものではない。

 これを実践しなさい。そうすればあなたは栄光のサマンタバドラの継承者となるだろう。

⑪失うことと保持することの境界線、損なわれたときの修復方法

 もともとあなたは過去・現在・未来において、これから決して離れていないのだから、そのような努力は必要ない。」

エピローグ

「ツォギャルよ、私はすべての経典、タントラ、聖なる書物、口頭での教えを、ボーディチッタを生起させるこれら外側、内側、秘密の方法に要約した。

これらを実践せよ!
これらを道に入れよ!
これらを深く心に刻め!
これらの意味と調和してあれ!
これらは大乗の教えの根本である。」

 師はこのようにお説きになった。

 これは「道としてボーディチッタを生起させる教え」と題された、ボーディチッタの大乗の教えである。これはモンカのセンゲ・ゾンで書かれた。

 完結。

 宝の封印をせよ。

 秘密の封印をせよ。

 委託の封印をせよ。

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