パドマサンバヴァの秘密の教え(1)「日々のふるまいによって上昇する教え」
パドマサンバヴァの秘密の教え
この「パドマサンバヴァの秘密の教え」のシリーズは、グル・リンポチェ=大聖パドマサンバヴァのテルマ(後の世のために埋蔵した教え)を集めたものです。
12世紀にニャンラル・ニマウーセルというテルトンが発掘したものを中心に、いくつかのテルトンのテルマをまとめています。
翻訳に当たっては必要に応じて私の独断で多少のアレンジを加えていますのでご了承ください。
第一巻 限りなき永遠の真理
第一章 法のともしび
1.日々の振る舞いによって上昇する教え
師パドマカーラ(パドマサンバヴァ)は、さまざまな姿で、さまざまな衣装をつけて現われた。
彼は声聞の戒律からヴィディヤーダラのタントラの戒律に至るまで、すべての戒律を遵守した。
彼は口頭で九つの段階的な道を教え、そして日々の振る舞いで上昇することと至高の見解を持つことを一つのものとして示した。
彼の心は完全な全智の悟りと完全な菩提心を持っているので、自分のことよりも一層深く、一切の衆生を慈しんだ。
ニルマーナカーヤであり、悟った者であったこの師によって語られた、日々の振る舞いの方法についてのこの教えは、ツォギャルによって書き留められた。
◎三宝帰依
偉大な師はこうおっしゃった。
「あなたが外的な修行あるいは内的な修行のどちらを行なう場合でも、
まず三宝に帰依しなければならない。
常に三宝に対して確固たる信を持ちなさい。
そうすることによって、三宝と強い縁を作り、未来において仏陀の弟子になるであろう。
したがって、三宝へ供養し、懇願をすることが必要なのである。」
◎悪業捨断と功徳の増大
師パドマはこうおっしゃった。
「十善のダルマを修習し、十悪を避ける。
これらの白と黒のカルマの影響に対して確信を抱きなさい。
そうすることによって、あなたの行為は偉大な力を持つであろう。
真実の力は大きいから、不善行および悪業をすべて放棄して、あなたの乱れた感情に逆らう治療法を使い、功徳ある行為に多くの努力を注ぎなさい。
功徳を集めない人は、崇高な態度を生じさせることはないだろう。
功徳を積む人は、崇高な考え方を持つであろう。
ひとたび、あなたの中で崇高な態度を抱けば、善行に努力を注ぎ、不善行を差し控えるであろう。
したがって、あなたの身口意によって功徳を集めるために、さまざまな手段によって不断の努力を引き起こすことが必要である。」
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